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フィリーズはこのポストシーズンで延べ4人が1試合2本塁打。チーム全体では8試合で19本塁打

宇根夏樹ベースボール・ライター
カイル・シュワーバー/捕手はガブリエル・モレイノ Oct 17, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10月17日、カイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)は、3回裏と6回裏にホームランを打った。前日の先頭打者ホームランと合わせて、2試合で3本塁打だ。

 レギュラーシーズンに47本塁打を記録したものの、それまでのポストシーズン6試合はホームランがなかった。

 だが、フィリーズの選手がホームランを打たなかったのは、ポストシーズン1試合目のワイルドカード・シリーズ第1戦だけだ。1試合2本塁打も、シュワーバーが延べ4人目。ディビジョン・シリーズ第3戦にブライス・ハーパーニック・カステヤノス、第4戦に再びカステヤノスが記録している。

筆者作成
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 チーム全体のホームランは、シュワーバーの3本を含め、8試合で19本を数える。なかでも、ディビジョン・シリーズ第3戦以降の4試合は、それぞれ、6本、3本、3本、3本。計15本塁打だ。ESPNスタッツ&インフォによると、ポストシーズンにおいて、4試合のスパンに15本塁打以上のチームは、これまでなかったという。

 今年のフィリーズより多い、1度のポストシーズンで20本塁打以上は、見落としがなければ、延べ21チームに上る。

筆者作成
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 ただ、今年のフィリーズは、まだ8試合を終えたところだ。ここから、どんなに少なくてもあと4試合、多ければ12試合を行う。ワールドシリーズ進出なら、6試合以上――6試合の場合、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第3戦と第4戦+ワールドシリーズ4試合――だ。これまでにフィリーズが記録した、昨年の24本塁打や2009年の25本塁打だけでなく、2020年のタンパベイ・レイズ(34本塁打)とロサンゼルス・ドジャース(30本塁打)に続く、30本塁打以上もありそうな気がする。ここまでのホームランは、13.7打数に1本だ。ちなみに、レギュラーシーズンで41本塁打のロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)は、15.7打数に1本だった。

 まだ不透明ながら、ワールドシリーズに進めば、リース・ホスキンスがロースターに加わる可能性もある。今シーズンは全休ながら、昨シーズン、ホスキンスは30本のホームランを打ち、ポストシーズンでは、シュワーバーとハーパーの2人と並ぶ6本塁打を記録した。昨年のポストシーズンで5本塁打以上は、この3人の他には、5本塁打のハリソン・ベイダー(当時ニューヨーク・ヤンキース/現シンシナティ・レッズ)しかいなかった。

 一方、今年のポストシーズンでフィリーズの投手が打たれたホームランは、8試合で4本に過ぎない(昨年は17試合で被本塁打17本)。

 フィリーズの19本塁打は、今年のポストシーズンに進出した12チームのなかで、最も多い。他に二桁のチームは、14本塁打のアリゾナ・ダイヤモンドバックス(7試合)と13本塁打のヒューストン・アストロズ(6試合)。テキサス・レンジャーズは、7試合で9本塁打だ。

 フィリーズの被本塁打4本は、ワイルドカード・シリーズで敗退した4チーム――いずれも0勝2敗――を除く8チームのなかで、最も少ない。最多は、ワイルドカード・シリーズをスキップし、フィリーズとのディビジョン・シリーズ4試合で被本塁打11本のブレーブスだ。

 ここまで、フィリーズが黒星を喫したのは、ディビジョン・シリーズの第2戦しかない。この試合の幕切れと、その後のおまけ(?)については、それぞれ、こちらで書いた。

「8-5-3の併殺で試合終了。ハーパーのアドレナリンが仇になった!?」

「「よくやった、ハーパー」のお返しは、ホームランを2本打って睨みつけるだけでは済まなかった!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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