大谷翔平のかつてのチームメイトでワールドシリーズ優勝の可能性があるのは、ブランドン・マーシュと…
ポストシーズンが始まってから2週間経たないうちに、3分の2のチームが姿を消した。残っているのは、4チームだ。ア・リーグはともに西地区の――どちらもテキサス州に本拠を構える――ヒューストン・アストロズとテキサス・レンジャーズ、ナ・リーグは東地区のフィラデルフィア・フィリーズと西地区のアリゾナ・ダイヤモンドバックスが、ワールドシリーズ進出をかけてリーグ・チャンピオンシップ・シリーズを行う。
この4チーム中3チームには、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)とチームメイトだった選手がいる。
アストロズでは、マーティン・マルドナードがそうだ。エンジェルスでプレーしたのは、マイナーリーグ時代を除くと、2017年から翌年の夏まで。2018年は、大谷の10登板中8登板でバッテリーを組んだ。その1度目は、大谷のメジャーリーグ初登板だ。
今年のポストシーズンは、4試合で12打数2安打ながら、正捕手の座は揺るがない。マルドナードに求められているのは、打つことよりも、マスクをかぶって投手をリードすることだ。レギュラーシーズンは、2年続けて出塁率.260未満&15本塁打。今シーズンは、リーグ最多の犠打12本を記録した。
レンジャーズには、元エンジェルスの投手が2人いる。エンジェルスで投げたのは、アンドルー・ヒーニーが2015年から2021年の夏まで、クリス・ストラットンは2019年のシーズン序盤だ。
エンジェルスを去った直後のヒーニーについては、こちらで書いた。
◆「大谷翔平が「かつてのチームメイト」から打ったホームランは、これが何本目!?」
ここまでのポストシーズンで、ヒーニーは1登板。ディビジョン・シリーズ第1戦の先発マウンドに上がり、1失点ながら、4回裏の途中に降板した。もっとも、イニングの短さは、最初から想定されていたことだと思われる。オープナーのような役目を果たした、と見ていいのではないだろうか。離脱中のマックス・シャーザーやジョン・グレイが復帰した場合、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズではロング・リリーフとして投げる可能性もある。
ストラットンは、前年までも含め、ポストシーズンでは投げていない。ただ、ワイルドカード・シリーズとディビション・シリーズディビジョン・シリーズのどちらも、ロースターには入っていた。
なお、ストラットンと大谷は、見方にもよるが、チームメイトだったとは言いにくい。ストラットンは、2019年5月7日にDFAとされ、数日後にピッツバーグ・パイレーツへ移籍した。この年の大谷の初出場は、5月7日だ。
フィリーズには、大谷のかつてのチームメイトが2人。ブランドン・マーシュは、2021年の夏にメジャーデビューし、翌年の夏、ローガン・オホッピーと交換にエンジェルスからフィリーズへ移った。マイケル・ロレンゼンは、昨シーズンをエンジェルスで過ごした。
今年のポストシーズンにおいて、マーシュはレフトでクリスチャン・パチェと併用され、センターは、6試合ともルーキーのヨハン・ロハスが守っている。マーシュの先発出場は、相手の先発投手が右腕の3試合だ。代打出場の2試合も、そこからレフトの守備についた。レギュラーシーズンの後半から、マーシュに代わり、ロハスがセンターを守る試合が増えた。
マーシュは、3試合に出場した時点で6打数0安打だったが、ディビジョン・シリーズ第3戦は、シングル・ヒットと二塁打とホームランを打ち、第4戦も2安打を記録した。ロハスは21打数1安打、パチェは7打数1安打だ。
ロレンゼンは、先月中旬にローテーションから外れ、ブルペンに回った。ポストシーズンに入ってからは、ディビジョン・シリーズ第3戦の1イニングのみ。8点リードの9回表に投げ、2死から2人を出塁させたものの、無失点で終わらせた。この起用は、登板間隔が空きすぎるのを防ぐ意味合いもあったのだろう。リーグ・チャンピオンシップ・シリーズでも、リリーフとしてマウンドに上がるはずだ。
ダイヤモンドバックスには、見落としがなければ、大谷のかつてのチームメイトはいない。
ちなみに、大谷のチームメイトであるデビッド・フレッチャーの弟、ドミニク・フレッチャーは、ダイヤモンドバックスに在籍しているが、8月下旬にAAAで左手の人差し指を骨折し、その後はプレーしていない。
今シーズンは、AAAの66試合で打率.291と出塁率.399、10本塁打。4月末にデビューしたメジャーリーグでは、降格と再昇格を挟み、28試合で打率.301と出塁率.350、2本塁打を記録した。6月30日~7月2日は、兄弟揃って同じ試合に出場。弟は3試合とも1安打、兄は3試合目にヒットを1本打った。