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松田宣浩のように2球団以上でプレーして「1球団で300本塁打以上&他球団で0本」は他にもいるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
松田宣浩 NOVEMBER 14, 2014(写真:ロイター/アフロ)

 松田宣浩は、選手生活にピリオドを打った。通算本塁打は、歴代44位タイの301本だ。そのすべてを、福岡ソフトバンク・ホークス時代に打った。読売ジャイアンジャイアンツに移った今シーズンは、二軍で54試合に出場して2本塁打を記録したものの、一軍出場の12試合は16打数1安打。シングル・ヒット1本に終わった。

 日本プロ野球で300本塁打以上の45人中、68.9%の31人は、複数の球団の選手として、一軍の試合に出場している。だが、そのなかに、全ホームランを1球団で記録し、それ以外の球団では0本塁打、という選手は、松田しかいない。例えば、松田と同じ、301本塁打のウラディミール・バレンティンは、東京ヤクルト・スワローズで288本と福岡ソフトバンクで13本だ。

 もっとも、1球団で300本塁打以上と他球団で10本未満は、皆無ではない。松原誠は、大洋ホエールズ/横浜大洋ホエールズで330本のホームランを打った後、こちらも読売に移り、36試合で1本塁打を記録した。

 宇野勝も、このパターンに当てはまる。中日ドラゴンズで334本塁打と千葉ロッテ・マリーンズで4本だ。ただ、宇野の場合、千葉ロッテでプレーしたのは最後の1シーズンではなく、1993年と1994年の2シーズン。それぞれ、59試合で3本塁打と14試合で1本塁打を記録した。

 300本塁打未満ながら、岡田彰布榎本喜八石毛宏典らも、松原や宇野と似ている。岡田は、阪神タイガースで245本塁打とオリックス・ブルーウェーブで2本塁打。榎本は、毎日オリオンズ/毎日大映オリオンズ/東京オリオンズ/ロッテ・オリオンズで245本塁打と西鉄ライオンズで1本塁打。石毛は、西武ライオンズで235本塁打と福岡ダイエー・ホークスで1本塁打。他にも、こういった選手はいるはずだ。

 また、223本塁打の桑田武は、松田と同じように、複数の球団でプレーしながら、全ホームランを1球団で記録した。大洋で223本塁打だ。最後の2シーズンは、1969年に読売で13試合、1970年はヤクルト・アトムズで3試合に出場。どちらも、ホームランだけでなく、安打がなかった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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