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4チームが89勝で並んだ場合、ポストシーズン進出を逃すのはマリナーズではなく…。残り試合の全パターン

宇根夏樹ベースボール・ライター
シアトル・マリナーズ Sep 29, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月29日、ア・リーグのチームは、いずれも160試合目を終えた。レギュラーシーズンの残りは、15チームとも、あと2試合だ。

 ポストシーズンに進出するア・リーグの6チーム中、半数の3チームは決まっていない。東地区と中地区は、それぞれ、ボルティモア・オリオールズミネソタ・ツインズが制した。東地区でオリオールズに次ぐタンパベイ・レイズは、ワイルドカードの1番手が決まっている。確定していないのは、西地区の優勝と、ワイルドカードの2番手と3番手だ。

 西地区の3チーム、テキサス・レンジャーズヒューストン・アストロズシアトル・マリナーズは、地区優勝とワイルドカードのどちらも可能性がある。ワイルドカードは、東地区3位のトロント・ブルージェイズを含む4チームのうち、2チームが手にする。

 ここからの2試合は、各チームとも、2勝0敗、1勝1敗、0勝2敗のいずれかだ。レンジャーズとマリナーズは対戦するので、例えば、レンジャーズが1勝1敗なら、マリナーズも1勝1敗となる。それぞれの勝敗を組み合わせると、3×3×3=27のパターンが起こり得る。

筆者作成
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 27のパターンのうち、Aの9パターンは、87勝のマリナーズがポストシーズン進出を逃す。あとの3チームは、すでに88勝以上を挙げている。

 Bの9パターンも、マリナーズがポストシーズンに進めない可能性は高い。例外は、B-3、B-6、B-9の3パターンだ。レンジャーズとブルージェイズが89勝以上を挙げ、マリナーズとアストロズは88勝で並ぶ。この場合、マリナーズに4勝9敗と負け越しているアストロズは、7年ぶりにポストシーズン進出を逃す。

 Cの9パターン中、C-3、C-6、C-9は、アストロズの白星が最も少ない。

 C-1とC-4は、89勝のレンジャーズとマリナーズのうち、マリナーズがポストシーズンに進めない。マリナーズは、現時点でレンジャーズに3勝8敗。あと2試合の勝敗にかかわらず、負け越しが決まっている。

 C-2とC-5は、ブルージェイズが90勝以上、西地区の3チームは89勝だ。レンジャーズはマリナーズに勝ち越してアストロズに負け越し、マリナーズはアストロズに勝ち越してレンジャーズに負け越し、アストロズはレンジャーズに勝ち越してマリナーズに負け越している。このなかで、2チームと対戦した計26試合の白星が最も多いマリナーズは、地区優勝を飾る。そして、レンジャーズに勝ち越しているアストロズがワイルドカードの3番手――2番手はブルージェイズ――となり、レンジャーズはポストシーズン進出を逃す。

 C-7は、アストロズが90勝、あとの3チームは89勝だ。レンジャーズは、マリナーズとブルージェイズのどちらにも勝ち越している。ワイルドカードの2番手だ。マリナーズとブルージェイズは3勝3敗だが、マリナーズが同地区(西地区)のチームと対戦した試合の合計で大きく勝ち越しているのに対し、ブルージェイズは同地区(東地区)との対戦の合計で大きく負け越している。ポストシーズンへ進めないのは、ブルージェイズだ。

 ちなみに、マリナーズは同地区のオークランド・アスレティックスとの13試合で12勝を挙げ、ブルージェイズは同地区のオリオールズとの13試合で10敗を喫している。

 C-8は、4チームが89勝で並ぶ。この場合は、まず、C-2とC-5の2パターンと同様に、マリナーズが西地区の優勝となる。レンジャーズ、ブルージェイズ、アストロズのなかに、あとの2チームのどちらにも勝ち越しているチームはなく、2チームとの対戦の勝率――試合数が異なるため、白星の合計ではなく――により、最も高いアストロズがワイルドカードの2番手に位置する。最後の1枠、ワイルドカードの3番手は、レンジャーズだ。ブルージェイズに6勝1敗と勝ち越している。

 なお、マリナーズ以外の3チーム、レンジャーズ、ブルージェイズ、アストロズは、いずれもあと1勝を挙げると、ポストシーズン進出が決まる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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