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200三振以上の打者はホームランも多いのか。今年の2人は倍以上の差があり、45本塁打と21本塁打

宇根夏樹ベースボール・ライター
エウヘニオ・スアレス(シアトル・マリナーズ)Sep 23, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、カイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)とエウヘニオ・スアレス(シアトル・マリナーズ)は、すでに200以上の三振を喫している。それぞれ、210三振と206三振だ。

 シュワーバーが多いのは、三振だけではない。45本のホームランを打ち、124四球を記録している。一方、スアレスは21本塁打と66四球。ホームランはシュワーバーの半数に届かず、四球はシュワーバーの半数をわずかに超えるに過ぎない。

 彼らの前に、シーズン200三振以上を記録した打者は、延べ16人を数える。

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 そのうちの11人は、200三振以上のシーズンに、30本以上のホームランを打っている。2010年に32本塁打(211三振)のマーク・レイノルズを除く10人は、38本塁打以上だ。昨シーズンのシュワーバーも、その一人。両リーグ最多の200三振を喫しながら、両リーグ2位の46本塁打を記録し、本塁打王を獲得した。

 200三振以上を喫し、20本塁打に届かなかったのは、2011年に15本塁打(205三振)のドルー・スタッブスと2018年に17本塁打(217三振)のヨアン・モンカーダ(シカゴ・ホワイトソックス)だけだ。彼らに次いで少ないのは、2021年に27本塁打(202三振)のマット・チャップマン(当時オークランド・アスレティックス/現トロント・ブルージェイズ)なので、今シーズンのスアレスは、200三振以上で3番目にホームランの少ない打者、となる可能性が高い。

 2011年のスタッブスは、センターを守っていた。2018年のモンカーダは、二塁手だった。彼ら以外のポジションは、いずれも、センター・ラインには位置していない。メインとしていたのは、レフト、ライト、一塁、三塁、DHのいずれかだ。シュワーバーは、昨シーズンも今シーズンもレフトを守り、スアレスは、三塁を定位置としている。

 ちなみに、2011年のスタッブスは、40盗塁を記録した。200三振以上&25盗塁以上は、他に皆無だ。

 もっとも、スアレスの92打点は、今シーズンのマリナーズで2番目に多い。100打点のフリオ・ロドリゲスに次ぎ、テオスカー・ヘルナンデスと並ぶ。シュワーバーと比べても、8打点しか違わない。

 スアレスは、シーズン全体で打率.233と出塁率.322、OPS.712だが、得点圏に走者を置いた打席に限ると、打率.275と出塁率.372、OPS.776を記録している。また、犠牲フライ11本は、両リーグ最多のコディ・ベリンジャー(シカゴ・カブス)と1本差。ア・リーグでは最も多い。

 なお、今シーズン、200三振まで20未満の3人は、199三振のテオスカーが26本塁打、188三振のライアン・ミックマン(コロラド・ロッキーズ)が23本塁打、181三振のニック・カステヤノス(フィリーズ)は29本塁打だ。

 フィリーズのシュワーバーとカステヤノス、マリナーズのスアレスとテオスカーは、それぞれ、史上初の200三振デュオになり得る。フィリーズのデュオは、結成されるかどうかわからないが、リーチをかけているマリナーズの2人は、まず間違いなくそうなるはずだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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