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アクーニャJr.とロドリゲスに続く「30-30」は誰が達成するのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
トレイ・ターナー(フィラデルフィア・フィリーズ)Aug 19, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)とフリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)は、今シーズン、すでに「30-30」を達成している。ここまでに、それぞれ、37本塁打と66盗塁、30本塁打と36盗塁。アクーニャJr.は、ホームランをあと3本打つと、史上5人目の「40-40」となる。ちなみに、10区切りの数値を揃えなければ、アクーニャJr.の「30-60」は史上初だ。

 今シーズンの「30-30」は、この2人にとどまらない可能性が高い。最も近いボビー・ウィットJr.(カンザスシティ・ロイヤルズ)は、28本塁打と44盗塁。「30-30」まで、あと2本塁打に迫っている。

「30-30」の2人と、現時点で「20-20」の11人は、以下のとおり。

筆者作成
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 カイル・タッカー(ヒューストン・アストロズ)、トレイ・ターナー(フィラデルフィア・フィリーズ)、フランシスコ・リンドーア(ニューヨーク・メッツ)の3人は、ホームランも盗塁も、30まであと4以下――どちらも26以上――だ。

 なかでも、ターナーのホームランは、先月初旬から激増。8月4日にフィリーズが110試合目を終えた時点では、出場108試合で10本塁打(と21盗塁)だったが、その後の36試合(出場34試合)で16本塁打(と6盗塁)を記録している。このスパンのホームランは、チームメイトのカイル・シュワーバーと並び、両リーグ最多。8月4日以降の36試合は、2人合わせて32本塁打ということになる。

 また、タッカーの盗塁成功率は、ここまで100%だ。1シーズンに失敗なしで最も多くの盗塁を決めたのは、2009年に23盗塁のチェイス・アトリーなので、タッカーはこちらの記録を塗り替える可能性もある。

 アクーニャJr.とロドリゲスの他に、3人が「30-30」を達成すれば、1シーズンに5人は、最多人数を更新する。現時点では、1987年、1996年、1997年、2011年の4人――1996年は「40-40」のバリー・ボンズを含む――が最も多い。直近の2011年は、マット・ケンプが39本塁打と40盗塁、ライアン・ブラウンが33本塁打と33盗塁、ジャコビー・エルズベリーが32本塁打と39盗塁、イアン・キンズラーは32本塁打と30盗塁を記録した。

 一方、「20-20」に到達している選手のうち、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)、コディ・ベリンジャー(シカゴ・カブス)、アンソニー・ボルピー(ニューヨーク・ヤンキース)の3人は、ホームランと盗塁の一方がジャスト20なので、今シーズンの「30-30」は難しそうだ。

 大谷とベリンジャーは、今オフのFA市場の目玉となる。ベリンジャーの契約には、来シーズンの相互オプション、年俸2500万ドル(解約金500万ドル)がついているが、ベリンジャーは長期契約を得ようとするだろう。ボルピーは、今シーズンがメジャーリーグ1年目だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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