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マリナーズが22年ぶりに地区優勝を飾ると、ア・リーグで最も遠ざかっているチームはどこになる!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
カル・ローリー(シアトル・マリナーズ)Aug 21, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月19日の時点で、シアトル・マリナーズは、ア・リーグ西地区の4位に位置していた。現在の順位は3位。ロサンゼルス・エンジェルスを追い抜いただけだ。テキサス・レンジャーズの1位とヒューストン・アストロズの2位(とオークランド・アスレティックスの5位)は、変動していない。

 けれども、約1ヵ月の間に、レンジャーズとマリナーズの差は、10ゲームから2ゲームまで縮まった。7月20日以降、14勝14敗のレンジャーズに対し、マリナーズは23勝7敗を記録している。

 なかでも、ここ1週間、8月15日~21日の接近は著しい。レンジャーズは15日に勝った後に5連敗、マリナーズは15日から7連勝。15日時点のゲーム差は、7.5だった。

 1ヵ月前はそうではなかったが、マリナーズは地区優勝を飾ってもおかしくない。

 マリナーズの地区優勝は、116勝を挙げ、イチローがMVPと新人王を受賞した、2001年を最後に途絶えている。昨年は、21年ぶりにポストシーズンへ進んだが、これはワイルドカードによるものだ。

 マリナーズを除くと、現在、これほど長く地区優勝から遠ざかっているア・リーグのチームはない。次にブランクが長いのは、2014年の地区優勝が最後の3チーム、ボルティモア・オリオールズ、デトロイト・タイガース、ロサンゼルス・エンジェルスだ。

 今シーズン、オリオールズは、地区首位に立っている。タイガースは、地区首位と8ゲーム差の3位。エンジェルスは、11ゲーム差の4位だ。タイガースとエンジェルスは、ワイルドカードの可能性も皆無に近い。また、オリオールズは2016年にワイルドカードをゲットしたが、タイガースとエンジェルスは2014年の地区優勝を最後にポストシーズンから遠ざかっている。

 一方、ナ・リーグには、最後の地区優勝が2013年以前のチームがいくつかある。

なかでも、ピッツバーグ・パイレーツのブランクは、マリナーズよりも長い。2013~15年に3年続けてワイルドカードを手にしたものの、地区優勝は、1990~92年の3連覇が最後だ。当時、パイレーツでプレーしていたバリー・ボンズは、1992年のオフにFAとなり、サンフランシスコ・ジャイアンツへ移った。

 今シーズンも、パイレーツの地区優勝はなさそうだ。首位と12ゲーム差の4位に位置している。

 なお、1993年に誕生したナ・リーグの2チーム、マイアミ・マーリンズとコロラド・ロッキーズは、地区優勝が一度もない。マーリンズのポストシーズン進出は3度。1997年と2003年はワイルドカード、2020年は地区2位だ(短縮シーズンの2020年は、1リーグ8チーム、各地区の1位と2位にワイルドカードの2チームがポストシーズンへ進んだ)。ロッキーズは、1995年、2007年、2009年、2017~18年の5度とも、ワイルドカードだ。

 ただ、マーリンズは、1997年と2003年にワールドチャンピオンとなっている。ロッキーズは、2007年にディビジョン・シリーズとリーグ・チャンピオンシップ・シリーズを無敗で勝ち抜け、ワールドシリーズまで進んだ。

 他の29チームと違い、マリナーズは、ワールドシリーズにたどり着いたことがない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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