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この選手の「4試合で計17安打」と「4試合連続4安打以上」は誰を追い抜いて誰と並んだのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
フリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)Aug 19, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ここ4試合とも、フリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)は、打ちまくっている。8月16日が6打数4安打(二塁打1本)、17日が5打数5安打(二塁打とホームランが各1本)、18日が5打数4安打(ホームラン1本)、19日は6打数4安打だ。

 このスパンの合計は、22打数17安打(打率.773)。8打点を挙げ、5盗塁(失敗1)も記録している。

 ESPNスタッツ&インフォによると、連続する4試合で計17安打は1900年以降の最多、4試合連続4安打以上は1900年以降の最長タイ。それぞれ、1925年のミルト・ストックを追い抜き、1925年のストックに並んだという。

 ストックは、今から98年前の6月30日~7月3日に、4試合とも4安打を記録した。23打数16安打(打率.696)、長打は三塁打と二塁打が各2本。3打点を挙げ、盗塁はなかった。

 1913年から1926年まで、ストックはメジャーリーグでプレーし、三塁と二塁を主に守り、1628試合で打率.298と出塁率.339を記録した。1806安打のうち、ホームランは22本、三塁打は58本、二塁打は270本。盗塁は155だ。タイトルは獲得しておらず――1921年の36犠打はナ・リーグ最多――殿堂入りもしていない。

 4試合連続4安打を記録した当時は、32歳だった。にもかかわらず、メジャーリーグでプレーしたのは、翌シーズンが最後だ。それについては、1926年のスプリング・トレーニング中に、エキシビション・ゲームでルー・ゲーリッグと交錯した際の怪我が原因、という説もあるが、怪我だけでなく交錯についても、本当なのかどうかはわからない。

 ベースボール・リファレンスによると、1926年の出場は3試合――10打数0安打――しかないが、これは、ブルックリン・ロビンズの開幕3試合だ。また、5月初旬にロビンズから解雇され、その後はマイナーリーグでプレーしている。マイナーリーグの出場は、この年だけではない。最後は1930年だ。

 ストックの4試合連続4安打中、ロビンズは3勝1敗。ストリークの最初の試合に、サヨナラ負けを喫している。一方、今シーズンのマリナーズは、ロドリゲスのストリークが始まる前日から、5連勝を記録している。8月15日の試合で、ロドリゲスは5打数1安打。打点はなかった。

 8月20日も4安打以上なら、ロドリゲスのストリークは5試合連続となり、こちらもストックを追い抜く。この試合でマリナーズが対する先発投手は、ハンター・ブラウン(ヒューストン・アストロズ)だ。ロドリゲスとブラウンは、先月7日に3打席で顔を合わせている。結果は、二塁打、三振、シングル・ヒットの3打数2安打だった。

 なお、ロドリゲスは、8月17日のホームランにより、前年に続く20-20に到達した。メジャーリーグ1年目から2年連続20-20は、史上2人目。その1人目は、ロドリゲスと同じく、今シーズンが2年目のボビー・ウィットJr.(カンザスシティ・ロイヤルズ)だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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