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1番打者としてシーズン30本塁打以上が3度は歴代2位。最多はリッキー・ヘンダーソンではなく…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)Aug 6, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月6日、「1番・ライト」として出場したムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)は、8回表にホームランを打ち、シーズン30本塁打に到達した。

 それまでの29本塁打も、ベッツは1番打者として記録している。1シーズンに、他の打順を含まず、1番打者として30本塁打以上は、これが3度目だ。シーズン31本塁打の2016年は、1番打者として23本、3番打者として3本、4番打者として5本だったが、32本塁打の2018年と35本塁打の2022年は、両シーズンとも、すべてのホームランを1番打者として打った。

 スタッツ・センターによると、1番打者として30本塁打以上のシーズンが3度は、歴代の単独2位。4度のアルフォンソ・ソリアーノに次ぎ、前年に並んだジョージ・スプリンガー(現トロント・ブルージェイズ)とフランシスコ・リンドーア(現ニューヨーク・メッツ)を上回ったという。

 ソリアーノの4度は、2002年の38本塁打(シーズン39本)、2003年の35本塁打(38本)、2006年の39本塁打(46本)、2007年の33本塁打(33本)。スプリンガーは、2017年の34本塁打(34本)と2019年の39本塁打(39本)、リンドーアは、2018年の37本塁打(38本)と2019年の32本塁打(32本)がそうだ。

 今シーズン、スプリンガーとリンドーアが、ベッツの3度に並ぶことは、まずないだろう。スプリンガーは、すべてのホームランを1番打者として打っているものの、その本数は13本だ。リンドーアは、ここまで22本塁打ながら、1番打者として出場した試合はない。

 ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)は、2019年の34本塁打(41本)に続き、今シーズンが2度目となりそうだ。ここまでは、どの試合も1番打者として出場し、25本のホームランを打っている。

 ベッツがソリアーノの4度に並ぶのは、来シーズン以降だが、今シーズンは、1番打者としてのシーズン本塁打記録を塗り替えるかもしれない。こちらは、2006年のソリアーノと2019年のスプリンガーによる、39本塁打が最も多い。昨シーズン、ナ・リーグで本塁打王を獲得したカイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)は、この記録まであと1本に迫った。1番打者として38本のホームランを打ち、それ以外に、5番打者として2本、6番打者として5本、7番打者として1本のホームランを打った。

 なお、リッキー・ヘンダーソンの先頭打者本塁打は通算81本を数え、2位のスプリンガーより25本多い。だが、全打順を合わせても、30本塁打以上のシーズンは皆無。最多は、1986年と1990年の28本だ。1番打者としてのシーズン本塁打も、この両シーズンの28本が最も多かった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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