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この投手はシーズン奪三振率の歴代最高記録を更新する勢い。次の相手はエンジェルス

宇根夏樹ベースボール・ライター
スペンサー・ストライダー(アトランタ・ブレーブス)Jul 26, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、スペンサー・ストライダー(アトランタ・ブレーブス)は、123.0イニングを投げて199三振を奪っている。奪三振率は14.56だ。

 ちなみに、ナ・リーグの奪三振率2位と3位は、11.80のブレイク・スネル(サンディエゴ・パドレス)と11.14の千賀滉大(ニューヨーク・メッツ)。ア・リーグのトップ3には、12.05のケビン・ゴーズマン(トロント・ブルージェイズ)、11.64の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)、11.19のパブロ・ロペス(ミネソタ・ツインズ)が並ぶ。奪三振率11.00以上は、この6人しかいない。

 まだ少し気が早いものの、このままいくと、ストライダーは奪三振率のシーズン最高記録(規定投球回以上)を塗り替える。現時点の歴代1位は、クリーブランド・ガーディアンズのシェーン・ビーバーが3年前に記録した14.20(77.1イニング/122奪三振)だ。短縮シーズンを除くと、ビーバーの前年にゲリット・コール(当時ヒューストン・アストロズ/現ニューヨーク・ヤンキース)が記録した13.82(212.1イニング/326奪三振)が最も高い。

 今シーズン、ストライダーの各月の奪三振率は、3・4月が14.70、5月が15.24、6月が12.86、7月は15.22だ。他の月と比べると、6月は低かった――それでも極めて高い――ものの、7月は再び上昇している。

 また、21登板中9登板は二桁奪三振。それらを含め、9奪三振以上は16登板を数える。6月20日以降の7登板は、すべて9奪三振以上。7月8日以降は、4登板とも二桁に達している。

 次の登板は、8月1日だ。キャリアを通して初めて、ロサンゼルス・エンジェルスを相手に投げる。今シーズン、ア・リーグのチームに対して投げた8登板のうち、二桁奪三振は6登板に上る。ナ・リーグのチームが相手の場合、二桁奪三振は13登板中3登板だ。

 もっとも、ストライダーは、奪三振が多く、与四球率も2.63と悪くないものの、打たれない投手ではない。18本の被本塁打はナ・リーグで8番目に多く、防御率はリーグ12位の3.73だ。二桁奪三振のストリークを継続している直近4登板も、それぞれ、無失点、5失点(自責点5)、4失点(自責点4)、3失点(自責点2)。このスパンの防御率は4.01だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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