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エンジェルスが今夏のトレード市場で売り手に回る場合、放出するのは大谷翔平だけではなく…

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(左)とハンター・レンフロー Jun 10, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 トレード・デッドラインが近づいてきた。今年のデッドラインは、8月1日の午後6時(東部時間)だ。

 ロサンゼルス・エンジェルスは、売り手と買い手のどちらとして動いても、おかしくない。7月23日を終え、地区首位との差は8ゲームだが、ワイルドカードの3番手との差は4ゲームだ。

 現時点では、売り手よりも買い手に回りそうだが、売り手になるなら、放出しようとするのは、大谷翔平だけではないだろう。

 外野手のハンター・レンフロー、内野手のマイク・ムスタカスエデュアルド・エスコバーに、リリーフ投手のマット・ムーアエアロン・ループも、大谷と同じく、オフにFAとなる。

 このなかには、来シーズンの契約が球団オプションの選手もいるものの、いずれも、エンジェルスがそれを行使する可能性は低そうだ。また、彼らの他にも、FAまで数ヵ月の選手はいる。ただ、現在は故障者リストに入っているので、ここには含めていない。

 ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンは、7月20日の記事で、エンジェルスが売り手に回れば、レンフローとムーアも人気を博すだろう、と書いている。

 レンフローは、出塁率こそ低いものの、パワーがあり、肩は強い。過去2シーズンとも、出塁率は.315、ホームランは31本と29本、外野補殺は16度と11度だ。計60本のホームランは、このスパンの17位タイに位置する。計27度の外野補殺は、誰よりも多い。今シーズンは、出塁率.301と15本塁打、6度の外野補殺を記録している。

 ムーアは、昨シーズン、テキサス・レンジャーズで63試合に登板し、74.0イニングを投げて防御率1.95。今シーズンは、27登板の30.0イニングで防御率2.10を記録している。ちなみに、こちらも左腕のループは、昨シーズンが防御率3.84、今シーズンは防御率4.88だ。

 クローザーのカルロス・エステベスを欲しがる球団も、ありそうな気がする。エステベスは、41登板の40.0イニングで防御率2.03を記録し、失敗なしで23セーブを挙げている。昨シーズンまでは、コロラド・ロッキーズで投げていた。

 もっとも、エステベスは2年1350万ドルの契約1年目なので、エンジェルスが売り手に回ったとしても、手放すことはないかもしれない。昨年の夏、アトランタ・ブレーブスへ放出したクローザーのライセル・イグレシアスは、4年5800万ドルの契約1年目だったが、移籍時点の防御率は4.04と高かった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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