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ホームラン・ダービーに「本命」が名乗り。史上最多タイの優勝3度に2度目のチャレンジ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)Jul 12, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月2日、ピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)のホームラン・ダービー出場が発表された。

 現時点では、8人中6人の出場者が決定している。発表順に、フリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)、ムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)、ランディ・アロザレイナ(タンパベイ・レイズ)、アロンゾ、アドリー・ラッチマン(ボルティモア・オリオールズ)だ。あとの2人は、まだ決まっていない。

 実績という点からすると、本命はアロンゾだろう。これまで、ホームラン・ダービーに3度出場し、2度優勝している。また、今シーズンの25本塁打は、31本塁打の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)と28本塁打のマット・オルソン(アトランタ・ブレーブス)に次ぎ、両リーグで3番目に多い(7月2日時点)。

 優勝2度以上は4人。3度のケン・グリフィーJr.(1994年、1998~99年)と2度の3人、プリンス・フィルダー(2009年、2012年)、ヨエニス・セスペデス(2013~14年)、アロンゾ(2019年、2021年)だ。今年、アロンゾが優勝すれば、史上最多のグリフィーJr.に並ぶ。

 アロンゾが3度目の優勝に挑むのは、2年連続2度目だ。昨年は、最初のラウンドでロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)を下したが、次のラウンドでロドリゲスの後塵を拝した。アロンゾを倒したロドリゲスも、優勝はできず。決勝でホアン・ソト(当時ワシントン・ナショナルズ/現サンディエゴ・パドレス)に敗れた。

 今回の出場が決まっている6人のなかでは、ロドリゲスの他に、ゲレーロJr.もアロンゾと対戦したことがある。2019年の決勝がそうだ。この時は、どちらが勝っても、1986年のウォーリー・ジョイナー――当時はフォーマットが違い、ダリル・ストロベリーとともに優勝――に続き、史上2人目のメジャーデビューした年に優勝、となっていた。2017年に優勝した時のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)もルーキーだったが、デビューしたのは前年の夏だ。

 なお、4年前のアロンゾは、史上初の親子優勝を阻んだ。ゲレーロJr.の同名の父は、2007年に優勝している。セシル・フィルダー――プリンスの父――は3度出場し、優勝は皆無だった。

 ロドリゲスとゲレーロJr.の出場は2度目。ベッツ、アロザレイナ、ラッチマンの3人は、初出場となる。

 ちなみに、グリフィーJr.の出場は、史上最多の8度を数える。1990年、1992~94年、1997~99年、2000年に出場した。プリンスの出場は、2007年、2009年、2011~13年、2015年の6度。セスペデスは、優勝した年以外の出場がない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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