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このまま「三振率30%以上&四球率6%未満」なら、歴代何人目!? 三振は210を超えるペース

宇根夏樹ベースボール・ライター
テオスカー・ヘルナンデス(シアトル・マリナーズ)Jun 23, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

テオスカー・ヘルナンデス(シアトル・マリナーズ)は、両リーグ最多の102三振を喫している(6月26日時点)。その一方で、四球は16に過ぎない。三振率は32.0%、四球率は5.0%だ。

 どちらのパーセンテージも、規定打席以上の両リーグ・ワーストではない。三振率はジェームズ・アウトマン(ロサンゼルス・ドジャース)の35.5%が最も高く、四球率はサルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)の3.0%が最も低い(規定打席以上)。ただ、三振率が30.0%を超えていて、四球率が6.0%に満たないのは、テオスカーだけだ。

 調べたところ、規定打席に達したシーズンの三振率と四球率が、それぞれ30%以上と6%未満の選手は、延べ5人が見つかった。1995年のベンジー・ギルが32.4%と5.7%、2020年のハビア・バイエズ(現デトロイト・タイガース)が31.9%と3.0%、2020年のアダルベルト・モンデシー(現ボストン・レッドソックス)が30.0%と4.7%、2021年のバイエズが33.6%と5.1%、2021年のアドリス・ガルシア(テキサス・レンジャーズ)は31.2%と5.1%だ。

 彼らのうち、2020年のバイエズとモンデシーの四球率は、5%にも届いていないが、この年は、1チーム60試合の短縮シーズンだった。今シーズン、テオスカーの三振率と四球率がこのまま変わらなければ、1チーム100試合以上のシーズンにおける、三振率30%以上で最も四球率の低い選手、となる。

 もともと、テオスカーは、三振が多く、四球は少ない。とはいえ、過去2シーズンの三振率は、どちらも30%未満の24.9%と28.4%だった。四球率は、過去7シーズンとも10%未満ながら、6%を割ったことは一度もない。

 また、今シーズンの出塁率は.298。こちらも.300未満のシーズンは皆無だ。

 それでも、マリナーズの打線に、テオスカーは不可欠だろう。14本塁打はチームで最も多く、44打点はエウヘニオ・スアレスの46打点に次ぐ。

 なお、マリナーズは、ここまでに77試合を終えている。テオスカーの三振を162試合に換算すると、214~215三振となり、歴代5位に位置する。

 現時点のシーズン三振トップ5は、2009年に223三振のマーク・レイノルズ、2012年に222三振のアダム・ダン、2016年に219三振のクリス・デービス、2018年に217三振のヨアン・モンカーダ(シカゴ・ホワイトソックス)、2021年に213三振のジョーイ・ギャロ(現ミネソタ・ツインズ)だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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