5月を終え、大谷翔平より防御率の低い投手はア・リーグに8人。トップは防御率1点台
今シーズン、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、11登板で65.0イニングを投げ、防御率2.91を記録している。この防御率は、5月を終え、ア・リーグで規定投球回以上――チームの試合数×1.0イニング以上――の37人中9位に位置する。防御率が最も低いのは、1.94のソニー・グレイ(ミネソタ・ツインズ)だ。
大谷の奪三振率12.46はリーグ1位、与四球率3.88は34位(ワースト4位)、FIP3.78は14位。FIPをざっくりと説明すると、守備の要素を除き、奪三振と与四球と被本塁打から算出した防御率だ。与四球率のベストは、0.76のジョージ・カービー(シアトル・マリナーズ)。FIPは、こちらも、2.19のソニー・グレイがトップに立っている。
防御率1位=FIP1位、とは限らない。ナ・リーグの場合、防御率は1.92のブライス・エルダー(アトランタ・ブレーブス)が33人中1位、FIPは2.09のザック・ギャレン(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)が1位だ。エルダーのFIP3.42は9位、ギャレンの防御率2.72は4位に位置する。
また、先発6イニング以上&自責点3以下のクオリティ・スタート(QS)のア・リーグ最多は、フランバー・バルデス(ヒューストン・アストロズ)、カービー、シェーン・ビーバー(クリーブランド・ガーディアンズ)の9試合。大谷は7試合だ。ナ・リーグでは、マーカス・ストローマン(シカゴ・カブス)が10試合でQSを記録している。
他のスタッツでは、ネイサン・イオバルディ(テキサス・レンジャーズ)の2完投が目を惹く(QSは大谷と同じく7試合)。ア・リーグの投手による完投は計8試合なので、4分の1がイオバルディということになる。ナ・リーグを含めても、2完投以上の投手は他にはいない。
2018年以降のシーズン完投は、2022年に6試合のサンディ・アルカンタラ(マイアミ・マーリンズ)が最も多く、それに次ぐのは3試合の6人だ。
レンジャーズでは、5年1億8500万ドルの契約で迎え入れたジェイコブ・デグロームが、防御率こそ2.67ながら、登板は6試合。4月下旬から故障者リストに入っている。一方、2年3400万ドルの契約で入団したイオバルディは、完投以外にも、8イニング以上を投げた試合が2度ある。
なお、菊池雄星(トロント・ブルージェイズ)の防御率4.47はア・リーグ28位、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)の防御率4.61はナ・リーグ26位。防御率3.44の千賀滉大(ニューヨーク・メッツ)は、規定投球回に達していない。千賀の55.0イニングに対し、メッツは56試合を終えている。
5月末時点のホームランについては、こちらで書いた。