Yahoo!ニュース

乱闘の前に2人が負傷する。一方は本塁で捕手と衝突、もう一方は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
セビー・ザバラ(左)とオニール・クルーズ Apr 9, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月9日、おそらく、今シーズン初となる乱闘騒ぎが起きた。

 6回裏の無死一、三塁から、キブライアン・ヘイズ(ピッツバーグ・パイレーツ)が三塁へゴロを打ち、三塁走者のオニール・クルーズは、本塁で捕手のセビー・ザバラ(シカゴ・ホワイトソックス)と衝突した。

 アウトになったクルーズは、その場に倒れ込んだまま、立ち上がれず。ザバラがクルーズに何か言い、それに対し、ヘイズの次の打者、カルロス・サンタナが言い返した。そこから、両チームの選手がフィールドに出てきた。殴り合いにはならなかったものの、押し合う場面も見受けられた。

 クルーズは、左足首の骨折により、8月半ば頃まで離脱することになりそうだ。

 一方、ホワイトソックスのリリーバー、ジョー・ケリーは、乱闘に加わろうとして、ブルペンから走っていく最中に、右の股関節を痛めた。クルーズほど長期の離脱にはならないだろうが、こちらも、クルーズと同じく、4月10日に故障者リスト入りした。

 今から5年前の4月11日、当時、ボストン・レッドソックスにいたケリーは、タイラー・オースティン(当時ニューヨーク・ヤンキース/現・横浜DeNAベイスターズ)に投球をぶつけた。バットを叩きつけ、マウンドに向かってきたオースティンに、ケリーはパンチを浴びせた。

 ロサンゼルス・ドジャースで投げていた、3年前の夏には、カルロス・コレイア(当時ヒューストン・アストロズ/現ミネソタ・ツインズ)から三振を奪ってイニングを終えた後、コレイアに言葉を発し、乱闘寸前の場面を招いた。

 おそらく、2017年のサイン盗みに関連した発言だったのだろう。アストロズがワールドシリーズでドジャースを破った時、ケリーはレッドソックスに在籍していたが、この年のディビジョン・シリーズで、レッドソックスはアストロズに敗れている。

 今回の乱闘騒ぎは、ケリーが加わらなかったことにより、パンチの応酬には至らずに済んだ、という見方もできる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事