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メキシコ対日本の準決勝は「左対左」が鍵を握る!? メキシコの先発投手はエンジェルスの左腕〈WBC〉

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から、カート・スズキ、パトリック・サンドバル、大谷翔平 May 22,2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 メキシコと日本は、3月20日(日本時間21日)の準決勝で対戦する。そこで勝ったほうが、アメリカと決勝を行う。日本に対して投げる、メキシコの先発投手は、左腕のパトリック・サンドバル(ロサンゼルス・エンジェルス)だ。

 ここまでの5試合とも、日本の1番から5番に並ぶ5人は変わっていない。1次ラウンドの4試合は、1番がラーズ・ヌートバー(セントルイス・カーディナルス)、2番が近藤健介(福岡ソフトバンク・ホークス)、3番が大谷翔平(エンジェルス)、4番が村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)、5番は吉田正尚(ボストン・レッドソックス)だった。準々決勝も、4番と5番が入れ替わっただけ。彼らは、いずれも左打者だ。

 5人のうち、昨年、日本プロ野球でプレーした3人、近藤、村上、吉田は、対左右のどちらも出塁率.400以上を記録した。大谷の出塁率は、対右の.370に対し、対左は.329だが、ヌートバーは、対右が.325、対左は.400だ。5人中4人が、左投手との対戦で出塁率.400以上ということになる。

 一方、サンドバルは、対右の被出塁率が.349、対左は.217。ファングラフスによると、計100人以上の左打者と対戦した257投手中、サンドバルの被出塁率は9番目に低かった。被打率.151は4位に位置する。右打者には8本のホームランを打たれたが、左打者に喫したホームランはなし。長打も、二塁打2本に過ぎない。

 日本が打線を大きく組み替え、右打者を上位に並べれば別だが、そうしない限り、左対左は、勝敗を左右する最初の大きなポイントになりそうだ。

 なお、スタットキャストによると、サンドバルが左打者に投げた球種の割合は、スライダーが48.2%、シンカーが30.5%、4シームが12.2%。カーブとチェンジアップは、それぞれ、5.1%と4.1%だ。

 初球は、スライダーが39.7%、シンカーが30.2%、カーブが15.9%、4シームは14.3%。チェンジアップは皆無だ。2ストライク後は、スライダーが59.7%と群を抜いて多く、シンカーは16.3%、チェンジアップと4シームはどちらも11.6%。カーブに至っては1球(0.8%)しかなかった。

 サンドバルは、1次ラウンドでアメリカに対して4イニングを投げ、被安打2、与四球2、奪三振2、失点1(自責点1)を記録した。この試合と同じく、準決勝でもオースティン・バーンズ(ロサンゼルス・ドジャース)とバッテリーを組むと思われる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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