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WBCの「4割打者」。2006年のグリフィーJr.は打率.524。2017年のバレンティンは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ウラディミール・バレンティン March 20, 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 これまでのWBCで、各年に打率4割以上を記録した選手は、見落としがなければ、延べ32人を数える(20打席以上)。2006年が6人、2009年が10人、2013年が6人、2017年は10人だ。

 フレデリク・セペダ(キューバ)は、出場4度のうち、打率.400以上が2度。2009年の打率.500と2013年の打率.474がそうだ。2006年も打率は高く、.385(26打数10安打)。2017年は打率.067(15打数1安打)ながら、四球が7を数え、出塁率.364を記録した。

 セペダと同じく、カルロス・ベルトラン(プエルトリコ)も、4度出場して打率.400以上が2度だ。こちらは、2009年の打率.421と2017年の打率.435。2006年と2013年は、それぞれ、打率.286(21打数6安打)、打率.188(32打数6安打)だった。

筆者作成
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 各年の打率が最も高かった選手(20打席以上)は、2006年が打率.524のケン・グリフィーJr.(USA)、2009年が打率.500のセペダとイバン・ロドリゲス(プエルトリコ)、2013年が打率.556の井端弘和(日本)、2017年は打率.615のウラディミール・バレンティン(オランダ)だ。

 2017年のバレンティンは、どちらもこの年の最多となる、4本塁打と12打点も記録した。打点は、他の年を含めても最も多く、2009年に金泰均(韓国)が挙げた11打点を上回った。

 打席数を問わず、2017年にバレンティンより打率が高かったのは、10打席で打率.667(6打数4安打)のエステバン・クイロス(メキシコ)だけ。実質的には、バレンティンが「三冠王」だったと言っていいだろう。

 なお、その前の3度の「本塁打王」は、2006年が5本塁打の李承燁(韓国)、2009年が3本塁打のセペダら7人、2013年は3本塁打のアルフレド・デスパイネ(キューバ)とホゼ・アブレイユ(キューバ)。「打点王」は、2006年が10打点のグリフィーJr.と李承燁、2009年が11打点の金泰均、2013年は10打点のデビッド・ライト(USA)だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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