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二軍の本塁打王はブレイクしているのか。本塁打王3度の山川穂高は、その前に二軍で2度獲得

宇根夏樹ベースボール・ライター
安田尚憲 APRIL 1, 2017(写真:アフロ)

 昨年、山川穂高(埼玉西武ライオンズ)は、3年ぶり3度目のシーズン40本塁打以上を記録し、こちらも3年ぶり3度目となる本塁打王を獲得した。40本塁打以上と本塁打王は、どちらも同じシーズンだ。2018年に47本塁打、2019年に43本塁打、2022年は41本塁打を記録した。

 二軍でも2度、山川はリーグ最多のホームランを打っている。2014年の21本塁打と2016年の22本塁打がそうだ。

 山川だけでなく、中田翔(現・読売ジャイアンツ)やT-岡田(オリックス・バファローズ)、筒香嘉智(現テキサス・レンジャーズ)、柳田悠岐(福岡ソフトバンク・ホークス)らも、二軍の本塁打王となったことがある。高橋周平(中日ドラゴンズ)が2012年に二軍で記録した7本塁打も、一桁ながらウエスタン・リーグの1位タイだった。

 だが、誰もがブレイクしているわけではない。過去10シーズンにおける、二軍の本塁打王は以下のとおりだ。

筆者作成
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 このなかに、一軍出場なしの選手はいないが、一軍で1シーズンに20本以上のホームランを打ったのは、山川とサビエル・バティスタの2人だ。バティスタは、2017~19年に一軍でプレーし、それぞれ、11本塁打、25本塁打、26本塁打を記録した。山川は、2017年以降、20本塁打以上を6年継続している。

 山川以外の17人が一軍で打ったホームランの合計は213本なので、山川のここまでの通算本塁打より5本少ない。山川の本数が多いことも理由の一つだが、森山恵佑猪本健太郎は、一軍でホームランを打つことなく選手生活を終えた。

 もっとも、ここから、山川のようにホームランを量産する選手も、出てくるかもしれない。17人中8人は、現在、NPBの球団に在籍している。

 昨年、清宮幸太郎(北海道日本ハム・ファイターズ)は、北海道日本ハムでは最多のホームランを打ち、20本塁打まで2本に迫った。安田尚憲(千葉ロッテ・マリーンズ)は、二桁本塁打のシーズンこそないものの、3年続けて110試合以上に出場している。シーズン本塁打は、1本→6本→8本→9本だ。毎年、少しずつ増えている。

 また、陽川尚将(現・埼玉西武)と細川成也(現・中日)は、どちらも昨年12月の現役ドラフトで指名され、新天地で再スタートを切る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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