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エンジェルスの選手がWBC優勝の確率は!? トラウトはUSA、大谷は日本、フレッチャーはイタリア…

宇根夏樹ベースボール・ライター
デビッド・フレッチャー(左)と大谷翔平 Sep 9, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 マックス・スタッシ(ロサンゼルス・エンジェルス)は、ワールド・ベースボール・クラシックの出場を取りやめた。それでも、ロースター入りしたエンジェルスの選手は、入れ替え可能な投手を含め、19人を数える。30球団のなかで最も多い。2番目に多いのは、見落としがなければ、シカゴ・カブスの16人だ。

筆者作成
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 エンジェルスの19人は、12ヵ国に分かれている。この点からすると、エンジェルスの選手がWBCで優勝する確率は、20分の12ということになる。60.0%だ。ちなみに、スタッシがいても、国と地域の数は変わらない。デビッド・フレッチャーグレン・オルバニーズJr.の2人とともに、イタリアのロースターに入る予定だった。

 なかでも、プールCは、5チーム中4チームにエンジェルスの選手がいる。USAにマイク・トラウト、メキシコにパトリック・サンドバルヘラルド・レイエス、コロンビアにジオ・アーシェラグスタボ・カンペーロ、イギリスにダショーン・ノウルズだ。1次ラウンドから2次ラウンド(準々決勝ラウンド)には、5チーム中2チームが進む。1次ラウンドでエンジェルスの19人全員が敗退となる可能性は、ゼロということだ。

 また、現時点でエンジェルスに在籍している選手はいなくても、いくつかの国と地域は、前エンジェルスや元エンジェルスの選手を擁する。例えば、ざっと見渡しただけでも、オランダにアンドレルトン・シモンズ、プエルトリコにマーティン・マルドナード、カナダにロブ・ザストリズニー、ニカラグアにJC・ラミレスといった具合だ。

 なお、大谷翔平が最初に対戦する可能性があるエンジェルスの選手は、アラン・カーターだ。日本と中国は、3月9日に試合を行う。カーターは、25歳の右投手。昨年まではテネシー州のリー大学で投げていて、先月下旬にエンジェルスとマイナーリーグ契約を交わした。リー大学のジョージ・スターが書いた記事によると、速球は98.6マイルを記録したことがあるという。昨年は、17.0イニングで34三振を奪っている。

 一方、打者として、最初に大谷と対戦するかもしれないのは、アーロン・ホワイトフィールドだ。日本とオーストラリアは、3月12日に顔を合わせる。こちらは、26歳の外野手。右打者だ。2020年と2022年にメジャーリーグで計8試合に出場し、12打数0安打。昨年は、AAの79試合で、打率.263と出塁率.343、9本塁打と29盗塁を記録した。このスタッツから窺えるとおり、スピードを最大のセールス・ポイントとする。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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