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牧秀悟と佐藤輝明の前に「プロ1年目から2年連続20本塁打」の選手は何年継続し、通算本塁打は何本!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
原辰徳(東海大時代) MARCH 12, 1977(写真:山田真市/アフロ)

 牧秀悟(横浜DeNAベイスターズ)と佐藤輝明(阪神タイガース)は、プロ1年目から2年続けて20本以上のホームランを打っている。牧は、2021年が22本、2022年は24本。佐藤は、24本と20本だ。

 このストリークは、彼らが史上9人目と10人目。キューバから、メジャーリーグの球団を経由せずに日本プロ野球へやってきた選手も調べてみたが、見当たらなかった(もし、見落としがあれば、教えてください)。例えば、アルフレド・デスパイネの場合、最初の2年、2014~15年のホームランは12本と18本だ。ちなみに、千葉ロッテ・マリーンズに入団したのは、2014年7月。この年は45試合に出場した。

筆者作成
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 牧と佐藤の前に、プロ1年目から2年連続20本塁打以上を記録した8人のうち、大岡虎雄長嶋茂雄田淵幸一の3人は、3年連続とはならなかった。3年目のホームランは、それぞれ、1本(1951年)、16本(1960年)、18本(1971年)だ。

 大岡の3年目は、出場19試合。5月13日が最後だ。翌年以降も、プレーはしていない。おそらく、年齢が理由だと思われる。社会人野球で長くプレーした大岡は、プロ1年目の時点で37歳だった。田淵は、健康に過ごしていれば、ストリークを伸ばしていたのではないだろうか。3年目の出場は80試合。2年目は、89試合で21本のホームランを打った。

 ちなみに、長嶋は、プロ1年目から2年連続30二塁打以上も記録している。1958年が34本、1959年は32本だ(1960年は22本)。プロ1年目から2年続けて20本塁打&30二塁打以上は、長嶋に続き、牧が史上2人目。牧の二塁打は35本と36本。佐藤は25本と35本だ。

 一方、8人中5人は、3年目も20本以上のホームランを打った。1年目から3年目までの本数の推移は、森徹が23本→31本→21本、有藤通世が21本→25本→27本、原辰徳が22本→33本→32本、石井浩郎が22本→21本→29本、清原和博は31本→29本→31本だ。

 ただ、森と石井の通算本塁打は、200本に満たない。森は、最初の6年間に20本塁打以上を5度記録し、この時点では計134本塁打(年平均22.3本)ながら、その後の5年間は計55本塁打にとどまった。石井は、最初の5年間が計127本塁打(年平均25.4本)、その後の8年間は計35本塁打だ。1995年以降は、出場100試合以上のシーズンが一度もなく、その過半数は出場50試合に届かなかった。

 なお、清原の通算525本塁打は、40本塁打以上のシーズンがない選手の最多だ。有藤の通算348本塁打は、30本塁打以上のシーズンがない選手では、最も多い。それらについては、こちらで書いた。

「30本塁打以上のシーズンがない選手の通算本塁打ランキング。300本塁打以上は1人」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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