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昨年の首位打者のうち、一方はトレードで放出され、もう一方は4年5000万ドルの延長契約を手にする

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジェフ・マクニール(ニューヨーク・メッツ)Apr 19, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ミネソタ・ツインズは、トレードにより、ルイス・アライズをマイアミ・マーリンズへ放出した。一方、ニューヨーク・メッツは、ジェフ・マクニールと4年5000万ドルの延長契約を交わした。後者については、ESPNのジェフ・パッサンらが報じている。

 アライズとマクニールは、2人とも左打者だ。昨年は、それぞれ、打率.316と打率.326を記録し、どちらも首位打者のタイトルを獲得した。出塁率は.375と.382、ホームランは8本と9本、二塁打は31本と39本。いずれも、マクニールが少し勝る。三塁打は1本ずつ、4盗塁も同じだが、盗塁失敗はアライズが4度、マクニールは皆無だ。

 また、マクニールのホームランは、5シーズン中4シーズンが一桁ながら、2019年は23本塁打を記録している。アライズは、4シーズンで計14本塁打だ。今年、ともに定位置とする二塁の守備も、マクニールのほうが上だろう。昨年、アライズは一塁と二塁、マクニールは二塁と外野両翼を主に守った。

 もっとも、今オフの動向の違い、トレードと延長契約は、2人の資質と実績の差――あるいは、彼らに対する評価の差――を示すものではないはずだ。ツインズは、アライズと交換に、先発投手のパブロ・ロペスとマイナーリーガーの野手2人を手に入れている。ローテーションの前半を担う投手を欲してはいたものの、1対1のトレードでアライズを手放すつもりはなかったことが窺える。

 今年、アライズとマクニールは、ナ・リーグの首位打者を争う可能性もある。マーリンズとメッツは、どちらもナ・リーグ東地区のチームだ。彼らは、同じ試合で交互に二塁を守りながら、ヒットを打ち合うかもしれない。

 ちなみに、年齢は、アライズがマクニールより5歳若く――誕生日は4月9日と4月8日――昨年のシーズンが終了した時点では、FAまでの期間も長かった。アライズがFAになるのは、2025年のオフだ。マクニールは、契約を延長していなければ、2024年のオフにFA市場へ出ていた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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