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打率3割以上でもリーグ・トップ10に入れなかった選手は、意外に多い!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
糸井嘉男 MARCH 6, 2013(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 昨年、パ・リーグで打率3割以上を記録した選手は、規定打席以上の21人中、打率.347の松本剛(北海道日本ハム・ファイターズ)と打率.335の吉田正尚(オリックス・バファローズ/現ボストン・レッドソックス)しかいなかった。セ・リーグの打率3割以上は、27人中3人。小数点第4位を四捨五入すると打率3割ちょうどになる、打率.2995…の宮﨑敏郎(横浜DeNAベイスターズ)を含めると4人だ。

 ただ、打率3割以上でも、いつもリーグのトップ5にランクインするとは限らない。なかには、打率3割以上を記録しながら、トップ10に入れなかった選手もいる。2008年以降の直近15シーズンに限っても、打率3割以上で11位以下は、延べ19人を数える。

筆者作成
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 3割打者の人数は、シーズンだけでなく、リーグによっても差がある。例えば、2018年の場合、セ・リーグは規定打席以上の31人中15人(48.4%)が打率3割以上だが、パ・リーグは29人中5人(17.2%)だった。この年のリーグ平均打率は、セ・リーグが.259、パ・リーグは.254なので、極端に違うわけではないが、規定打席以上の選手の平均打率は、セ・リーグが.292、パ・リーグは.276だ。

 糸井嘉男は、打率3割以上で11位以下が各リーグで1度ずつ。北海道日本ハム時代の2010年が打率.309で12位、阪神タイガース時代の2018年は打率.308で13位だ。一方、阪神1年目の2017年は打率.290で10位に位置している。糸井のシーズン打率3割以上――昨年の宮﨑と同様の3割ちょうどを含む――は9度、リーグ・トップ10入りは8度だ。2014年はオリックスで打率.331を記録し、首位打者を獲得した。

 また、この19人のなかで、シーズン打率3割以上の回数とトップ10の回数の差が最も大きい、8度と5度の金本知憲は、打率3割以上のシーズンのうち、1996~97年と2008年が11位以下で、その間の2000~01年と2004~06年はトップ10にランクインしている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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