「第4の外野手」を手に入れたエンジェルスは、アデルをトレードで放出するのか
ジョー・アデル(ロサンゼルス・エンジェルス)の現在の立場を形容するなら、第5の外野手、あるいは第6の外野手といったところだろう。
エンジェルスの外野トリオは、ほぼ確定している。左から右に、テイラー・ウォード、マイク・トラウト、ミルウォーキー・ブルワーズから獲得したハンター・レンフローが並ぶ。
第4の外野手も、候補は不足していない。ミッキー・モニアックとジョー・アデルがいて、先日、ブレット・フィリップスと1年120万ドルの契約を交わした。
3人のうち、第4の外野手として開幕ロースターに入るのは、フィリップスの可能性が高い。登板時にダグアウトの前で披露したスライディング・キャッチだけでなく、外野においてもフィリップスの守備は一流だ。守備と走塁に限れば、間違いなくレギュラーになれる。
また、モニアックとアデルはマイナーリーグ・オプションが残っているが、フィリップスにはない。降格させるにはウェーバー公示を経なければならず、他球団に獲得されることもあり得る。
故障者が出た場合にマイナーリーグから昇格させる外野手として、モニアックとアデルのどちらか一方は必要だろうが、もう一方はトレードの駒にすることもできる。
仮に複数の外野手が離脱しても、ブランドン・ドゥルーリー、ルイス・レンヒーフォ、ジャレッド・ウォルシュは、レフトかライトであれば守れる。デビッド・フレッチャーとジオ・アーシェラも、外野の経験は皆無ではない。アーシェラは、2019年に1イニングだけ、レフトの守備についている。
モニアックは2016年のドラフト全体1位、アデルは翌年の全体10位だ。マイナーリーグでも、プロスペクトと目されていた。メジャーリーグでブレイクはしていないものの、現時点の年齢は20代前半と若く、欲しがる球団があってもおかしくない。
ただ、フィリップスがFAになるのは3シーズン後だが、外野トリオの一人、レンフローはあと1シーズンでFA市場に出る。来年以降を踏まえると、よほどの見返りが得られるケース、例えば、ローテーションの一角を担う先発投手を獲得できるトレードでない限り、モニアックもアデルも、エンジェルスが開幕までに手放すことはなさそうだ。
なお、フィリップスは、これまでにさまざまなエピソードを残している。そのいくつかについては、こちらで書いた。