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「第4の外野手」を手に入れたエンジェルスは、アデルをトレードで放出するのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイケル・ステファニック(左)とジョー・アデル Jul 23, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ジョー・アデル(ロサンゼルス・エンジェルス)の現在の立場を形容するなら、第5の外野手、あるいは第6の外野手といったところだろう。

 エンジェルスの外野トリオは、ほぼ確定している。左から右に、テイラー・ウォードマイク・トラウト、ミルウォーキー・ブルワーズから獲得したハンター・レンフローが並ぶ。

 第4の外野手も、候補は不足していない。ミッキー・モニアックジョー・アデルがいて、先日、ブレット・フィリップスと1年120万ドルの契約を交わした。

 3人のうち、第4の外野手として開幕ロースターに入るのは、フィリップスの可能性が高い。登板時にダグアウトの前で披露したスライディング・キャッチだけでなく、外野においてもフィリップスの守備は一流だ。守備と走塁に限れば、間違いなくレギュラーになれる。

 また、モニアックとアデルはマイナーリーグ・オプションが残っているが、フィリップスにはない。降格させるにはウェーバー公示を経なければならず、他球団に獲得されることもあり得る。

 故障者が出た場合にマイナーリーグから昇格させる外野手として、モニアックとアデルのどちらか一方は必要だろうが、もう一方はトレードの駒にすることもできる。

 仮に複数の外野手が離脱しても、ブランドン・ドゥルーリールイス・レンヒーフォジャレッド・ウォルシュは、レフトかライトであれば守れる。デビッド・フレッチャージオ・アーシェラも、外野の経験は皆無ではない。アーシェラは、2019年に1イニングだけ、レフトの守備についている。

 モニアックは2016年のドラフト全体1位、アデルは翌年の全体10位だ。マイナーリーグでも、プロスペクトと目されていた。メジャーリーグでブレイクはしていないものの、現時点の年齢は20代前半と若く、欲しがる球団があってもおかしくない。

 ただ、フィリップスがFAになるのは3シーズン後だが、外野トリオの一人、レンフローはあと1シーズンでFA市場に出る。来年以降を踏まえると、よほどの見返りが得られるケース、例えば、ローテーションの一角を担う先発投手を獲得できるトレードでない限り、モニアックもアデルも、エンジェルスが開幕までに手放すことはなさそうだ。

 なお、フィリップスは、これまでにさまざまなエピソードを残している。そのいくつかについては、こちらで書いた。

「サヨナラ勝ちを呼んだ「守備・代走要員」の交換相手は、福岡ソフトバンクのムーアと引き換えに得た遊撃手」

「ドラフト全体1位の初安打を三塁打にしたのと、左打席のレンドーンにホームランを打たれたのは同じ選手」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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