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山川穂高が「4度目の本塁打王」を獲得すると、それより多いのは、王貞治と野村克也と中村剛也と…

宇根夏樹ベースボール・ライター
王貞治(左)とハンク・アーロン March 20, 2006(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 昨年、山川穂高(埼玉西武ライオンズ)は、41本のホームランを打ち、47本の2018年と43本の2019年に続き、3度目の本塁打王を獲得した。今年もそうなれば、4度の本塁打王は、山本浩二タフィー・ローズの2人と並び、歴代7番目の多さとなる。

 その上にいるのは、15度の王貞治、9度の野村克也、6度の中村剛也(埼玉西武)に、5度の3人、青田昇中西太落合博満だ。

 まだ気が早いが、健康に過ごしさえすれば、今年も、山川が本塁打王を獲得する可能性は低くない。

 2018年以降の直近5シーズンに、シーズン35本塁打以上を記録した選手は、12人(延べ17人)を数える。ただ、各リーグの人数は大きく違う。セ・リーグは9人(延べ12人)、パ・リーグは3人(延べ5人)だ。山川の他に、パ・リーグは2人しかいない。

筆者作成
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 また、セ・リーグの9人中8人は、このスパンに少なくとも1度、1シーズンに38本以上のホームランを打っている。それに対し、パ・リーグで38本塁打以上は、山川の3度だけだ。このスパンにおける、パ・リーグのシーズン本塁打トップ5を多い順に並べると、2018年に47本の山川、2019年の43本の山川、2022年に41本の山川に、36本の2人、2018年の柳田悠岐(福岡ソフトバンク・ホークス)と2019年のアルフレド・デスパイネとなる。トップ3を山川が独占していて、3位の山川と4位タイに位置する2人との差も、5本と小さくない。

 一方、セ・リーグのシーズン本塁打トップ5は、2022年に56本の村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)、2019年に43本のネフタリ・ソト(横浜DeNAベイスターズ)、2018年に41本のソト、2019年に40本の坂本勇人(読売ジャイアンツ)に、5位タイが39本の3人、2018年の丸佳浩(当時・広島東洋カープ/現・読売)、2021年の村上、2021年の岡本和真(読売)だ。こちらは、昨年の村上が突出しているものの、2位以降は僅差で並んでいる。

 なお、昨年、山川が記録した41本塁打は、彼が本塁打王を獲得した3シーズンのなかで最も少ない本数だが、それぞれのペースは、2018年が11.5打数/本、2019年が12.2打数/本、2022年は10.9打数/本だ。この3シーズン中、昨年が最もハイペースだった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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