Yahoo!ニュース

今年のポストシーズンで「ホットな打者」と「コールドな打者」は誰!? 本塁打トップは3本の3人

宇根夏樹ベースボール・ライター
マニー・マチャド(左)とトレント・グリシャム Oct 14, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ワイルドカード・シリーズに続き、ディビジョン・シリーズも終わりが近づいている。残すは、クリーブランド・ガーディアンズとニューヨーク・ヤンキースによる第5戦だけだ。

 ここまでのポストシーズンにおける、打率、出塁率、ホームラン、打点のトップ5には、以下の顔ぶれが並ぶ。打率と出塁率は、15打席以上の60人を対象とした。すでに敗退したチームの選手は、灰色にしてある。

筆者作成
筆者作成

筆者作成
筆者作成

 ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)とトレント・グリシャム(サンディエゴ・パドレス)の2人は、この4部門のいずれも、トップ5にランクインしている。

 彼らのどちらも、ドラフト順位は高い。2010年の全体1位と、2015年の全体15位だ。もっとも、グリシャムは、この調子を維持できるのか、疑問が残る。レギュラーシーズンは、17本塁打と53打点、打率.184と出塁率.284。打率は502打席以上の130人のなかで最も低く、出塁率もワースト8位に位置した。ここまでのポストシーズンで打ちまくっているのは、スパンの短さを踏まえると、ブレイクよりも一時的な好調である可能性のほうが高い。

 ただ、パドレスで当たっているのは、グリシャムだけではない。マニー・マチャドは2本のホームランを打ち、グリシャムとマチャドを含む4人が5打点ずつを挙げている。

 また、ハーパーとグリシャムは、2シリーズで計3本塁打だが、ハリソン・ベイダー(ニューヨーク・ヤンキース)は、ディビジョン・シリーズの4試合で3本塁打だ。ちなみに、ベイダーがディビジョン・シリーズの年間最多に並ぶには、第5戦で2本のホームランを打つ必要がある。1995年のケン・グリフィーJr.と1996年のホアン・ゴンザレスは、1シリーズで5本塁打を記録した。

 7打点のヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)は、ディビジョン・シリーズの第1戦に5打点、第2戦に2打点を挙げた。二塁打で2打点、逆転サヨナラ本塁打で3打点、逆転本塁打で2打点だ。第3戦は7打数0安打に終わったが、最初の2試合は、合わせて8打数4安打だった。

 一方、15打席以上の60人中、ホゼ・アルトゥーベ(アストロズ)だけはヒットが出ていない。首位打者を3度獲得し、今シーズンも打率.300――厳密には.2998…――を記録しているだけに、意外な気がするかもしれないが、まだ3試合に過ぎず、スランプというほどではない。ちなみに、前年までのポストシーズンは、通算79試合で打率.286と出塁率.361、23本塁打、49打点を記録している。2018~21年の55試合も、打率.293と出塁率.371、16本塁打と33打点だ。

 打率と出塁率のワースト5は、以下のとおり。

筆者作成
筆者作成

 アルトゥーベに次いで打率が低い、カイル・シュワーバー(フィリーズ)については、こちらで書いた。

「「今年の本塁打王」がポストシーズンでは20打数1安打、ホームランなし。チームは勝ち進んでいるが…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事