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シャーザーの次はデグロームが登板。「サイ・ヤング賞2度以上の2人でポストシーズン2連敗」の前例は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジェイコブ・デグローム(左)とマックス・シャーザー Aug 4, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ワイルドカード・シリーズの第1戦に登板したマックス・シャーザー(ニューヨーク・メッツ)は、4本のホームランを打たれた。メッツは、1対7でサンディエゴ・パドレスに敗れた。

 シャーザーに続き、第2戦のマウンドには、ジェイコブ・デグロームが上がる。彼らは、どちらもサイ・ヤング賞投手だ。シャーザーは2013年と2016~17年、デグロームは2018~19年に受賞している。

 ESPNスタッツ&インフォによると、1度のポストシーズンで、いずれもサイ・ヤング賞2度以上のチームメイトが続けて先発登板は、アトランタ・ブレーブス時代のグレッグ・マダックストム・グラビンしか記録しておらず、2人が続けて登板した5度のうち、ブレーブスの2勝が1度、2敗が2度、1勝1敗も2度だという。

 調べたところ、2000年のディビジョン・シリーズ第1~2戦、2001年のディビジョン・シリーズ第1~2戦、2001年のリーグ・チャンピオンシップシリーズ第1~2戦と第4~5戦、2002年のディビジョン・シリーズ第3~4戦がそうだった。いずれも、マダックス、グラビンの順に登板し、ブレーブスの勝敗は、●●、○○、●○、●●、○●という結果になっている。マダックスとグラビンの連続白星はない。2001年のディビジョン・シリーズ第1戦の勝利投手は、ルディ・シアネスだ。マダックスが降板した時、ブレーブスは2対3とリードされていた。8回表に、マーカス・ジャイルズのタイムリー・ヒットで追いつき、チッパー・ジョーンズの3ラン本塁打で逆転した。

 サイ・ヤング賞を受賞したのは、マダックスが1992~95年、グラビンは1991年と1998年だ。ポストシーズンで2人が続けて先発登板は、1998年(とそれより前)にもあるが、グラビンが2度目のサイ・ヤング賞を手にしたのは1998年のオフなので、ここには含まない。彼らとともに投げたジョン・スモルツのサイ・ヤング賞は、1996年の1度だ。3人とも、殿堂入りしている。

左から、マダックス、スモルツ、グラビン Oct 2, 2016
左から、マダックス、スモルツ、グラビン Oct 2, 2016写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ワイルドカード・シリーズの第2戦もメッツが敗れると、シャーザー&デグロームは、2000年のディビジョン・シリーズ第1~2戦と2001年のリーグ・チャンピオンシップシリーズ第4~5戦のマダックス&グラビンに続き、サイ・ヤング賞2度以上の2人でポストシーズン2連敗の3度目となる。メッツが勝てば、2001年のリーグ・チャンピオンシップシリーズ第1~2戦と同じ、●○のパターンだ。

 ニューヨーク・タイムズのジョエル・シャーマンによると、メッツのバック・ショーウォルター監督は、ワイルドカード・シリーズの第1戦に勝った場合、第2戦はデグロームではなく、クリス・バシットを投げさせるつもりでいたという。そこから1勝1敗となれば、第3戦はデグロームだが、2連勝でワイルドカード・シリーズを終え、ディビジョン・シリーズの第1戦にデグロームを起用するのが、ショーウォルター監督の描く理想のシナリオだった。

 また、第2戦でデグロームと投げ合うブレイク・スネルは、2018年にサイ・ヤング賞を受賞している。パドレスがメッツをスウィープし、このシリーズが2試合で終わった場合、両チームの先発投手のうち、ダルビッシュ有以外はいずれもサイ・ヤング賞の受賞者ということになる。ダルビッシュは、投票2位が2度あり(他に9位が1度)、2013年はシャーザー、2020年はトレバー・バウアー(現ロサンゼルス・ドジャース)に次いだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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