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130イニングで200奪三振は最速。ランディ・ジョンソンを超える。別の投手は連続QSの新記録を樹立

宇根夏樹ベースボール・ライター
スペンサー・ストライダー(アトランタ・ブレーブス)Sep 18, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月18日、2人の先発投手が新記録を打ち立てた。

 スペンサー・ストライダー(アトランタ・ブレーブス)は、6イニングを投げて10奪三振。5回表に先頭打者を三振に仕留め、シーズン200奪三振に到達した。今シーズンは、この登板の前に、リリーフ11登板と先発19登板で125.2イニングを投げているので、125.2+4.1=130.0イニングで200奪三振だ。

 それまで、シーズン200奪三振に達した時点のイニングが最も少なかったのは、2001年に130.2イニングで到達したランディ・ジョンソンだった(1900年以降)。

 ストライダーは、昨年10月にメジャーデビューしたルーキーだ。今シーズンは、131.2イニングを投げて防御率2.67。規定投球回には届かないが、チームメイトのマイケル・ハリス2世を凌ぎ、新人王に選ばれそうだ。ハリスは、99試合に出場し、打率.305と出塁率.344、18本塁打と16盗塁、OPS.885を記録している。

 一方、フランバー・バルデス(ヒューストン・アストロズ)は、4月25日にスタートさせたクオリティ・スタート(QS)のストリークを、25登板に伸ばした。6イニングを投げ、自責点と失点を2にとどめた。

 こちらは、2018年にジェイコブ・デグローム(ニューヨーク・メッツ)が樹立した、24連続QSのシーズン記録を上回った。

 ちなみに、シーズンをまたいだストリークは、26連続QSが最も長い。ボブ・ギブソンとデグロームが、それぞれ、1967~68年と2018~19年に記録している。デグロームは、24連続QSを継続したまま2018年を終え、翌年最初の2登板もQSを続けた。

フランバー・バルデス(ヒューストン・アストロズ)Sep 18, 2022
フランバー・バルデス(ヒューストン・アストロズ)Sep 18, 2022写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 今シーズン、バルデスは、185.2イニングを投げて防御率2.57を記録している。奪三振は176だ。

 防御率こそ近いものの、ストライダーとバルデスの2人に、これといった共通点は見当たらない。ストライダーは右投手、バルデスは左投手。生まれたのは、オハイオ州とドミニカ共和国。現在の年齢は、23歳と28歳だ。主要2球種も違い、ストライダーは4シームとスライダー、バルデスはシンカーとカーブが多い。

 ただ、アストロズは、すでにポストシーズン進出を決めている。ブレーブスも、確定と言っていい。ワイルドカードの1番手に位置し、2番手に10ゲーム以上の差をつけている。ワールドシリーズの顔合わせが昨年と同じなら、ストライダーとバルデスは、そこで投げ合うかもしれない。

 昨年、バルデスは、第1戦と第5戦の先発マウンドに上がり、どちらも5点を取られ、3回途中に降板した。ストライダーは、ポストシーズンのどのシリーズも、ロースターに入らなかった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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