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マーシュが移籍後の打率を3割に乗せる。エンジェルスを去り、新天地で打撃開眼!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブランドン・マーシュ(フィラデルフィア・フィリーズ)Sep 10, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月15日、ブランドン・マーシュ(フィラデルフィア・フィリーズ)は、4打数4安打を記録した。三塁打、シングル・ヒット、二塁打、シングル・ヒットだ。二塁打と2本目のシングル・ヒットで、計2打点を挙げた。

 1試合4安打は、今シーズン初。昨年8月24日に並ぶ、自己最多だ。1年前は、6打数4安打。シングル・ヒットを4本打った。

 また、キャリア2度目の1試合4安打により、フィリーズへ移ってからの打率は、ちょうど.300となった。80打数24安打だ。今シーズン、エンジェルスでは292打数66安打、打率.226だった。

 まだ、サンプル数は少ない。移籍後に記録した打数は、移籍前の3分の1に満たない。ちなみに、移籍前後の三振率は36.2%と29.3%、四球率は6.8%と2.4%だ。依然として、三振率は高く、四球率は低い。

 ただ、移籍後の打率は、打撃開眼の兆し、という可能性もある。

 8月2日のトレードで、エンジェルスからフィリーズへ移った後、マーシュは、バッティング・フォームに変更を施した。おそらく、打撃コーチのケビン・ロングに指導を受けたのだろう。これまでよりも、膝を深く曲げて構え、スウィングの直前に前方の右足で踏んでいたステップを、2度から1度に減らしている。

 一方、マーシュと同じ日に、別のトレードでエンジェルスからフィリーズへ移籍したノア・シンダーガードは、9月15日に登板し、6イニングを投げて4失点で黒星を喫した。こちらは、移籍前の15登板が防御率3.83、移籍後の8登板は防御率4.79だ。

 フィリーズは、ナ・リーグ東地区の3位にいて、2位のアトランタ・ブレーブスにも、8ゲーム差をつけられている。だが、ワイルドカード・レースでは、ブレーブスに次ぐ2位に位置する。まだ確定ではないものの、11年ぶりのポストシーズン進出へ近づいている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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