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ジャッジの本塁打は「ホーム/アウェー」「対右/対左」「前半/後半」のそれぞれどちらも最多。前例は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)Aug 1, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は、46本のホームランを打っている(8月14日時点)。シーズン全体の本数だけでなく、ホーム25本とアウェー21本、対右34本と対左12本、前半33本と後半13本のいずれも、どの選手よりも多い。

 この6部門とも、シーズンが終わった時点でリーグ・トップだったのは、見落としがなければ、1998年に70本のマーク・マグワイアが最後だ。ホーム38本とアウェー32本、対右55本と対左15本、前半37本と後半33本を記録した。後半の本数は、サミー・ソーサ(シーズン66本)と並ぶ最多タイだ。ちなみに、2001年に73本のバリー・ボンズは、6部門中5部門がトップ。後半34本が、ソーサ(シーズン64本)より1本少なかった。

 ただ、24年前のマグワイアは、ア・リーグの選手も含めると、対左が3位タイとなる。ケン・グリフィーJr.の21本(シーズン56本)とマニー・ラミレスの18本(シーズン45本)に次ぐ。

 6部門とも両リーグ・トップの本数を記録した選手は、1932年に58本のジミー・フォックスまで遡る。今から90年前だ。この年のフォックスは、ホーム31本とアウェー27本、対右45本と対左12本、前半30本と後半28本。対左はベーブ・ルース(シーズン41本)と並んで最も多く、あとの5部門は単独トップだった。

 なお、オールスター・ゲームが始まる前(~1932年)と間をおいて2試合開催(1952~62年)のシーズンは、前半と後半の分け方をベースボール・リファレンスに従った。

 現時点のジャッジは、6部門とも両リーグ・トップだ。並んでいる選手もいない。

 ジャッジに次いで各部門のホームランが多い選手とその本数は、ホームがポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カーディナルス)の19本、アウェーがカイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)の18本、対右がシュワーバーの26本、対左がバイロン・バクストン(ミネソタ・ツインズ)、コリー・シーガー(テキサス・レンジャーズ)、オースティン・ライリー(アトランタ・ブレーブス)の各10本、前半がシュワーバーの29本、後半はマット・チャップマン(トロント・ブルージェイズ)とゴールドシュミットの8本だ。

 すでに終わった前半は、ジャッジのトップが確定している。また、対右も2位と8本差なので、まず決まりだろう。他は、ホームが6本差、アウェーが3本差、対左が2本差、後半は5本差だ。

 シーズン全体の本数で大差をつけた選手については、こちらで書いた。

「アーロン・ジャッジは「大差の本塁打王」の歴代何位にランクインする!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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