ホームラン・ダービーで勝敗が決まるオールスター・ゲームを観たかった!?
今年のオールスター・ゲームは、3対2でア・リーグが勝利を収めた。MVPには、ジャンカルロ・スタントン(ニューヨーク・ヤンキース)が選ばれた。
試合は、まず、ナ・リーグが2対0とリードしたが、4回表にスタントンとバイロン・バクストン(ミネソタ・ツインズ)が2人続けてホームランを打ち、ア・リーグが逆転。そして、9回裏のマウンドに上がったエマニュエル・クラッセ(クリーブランド・ガーディアンズ)が、ナ・リーグの3人、ギャレット・クーパー(マイアミ・マーリンズ)、カイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)、ジェイク・クローネンワース(サンディエゴ・パドレス)をいずれも三振に仕留め、試合を終わらせた。
もし、9回裏にナ・リーグが1点を挙げ、同点に追いついていれば、延長戦には入らず、勝敗を決めるホームラン・ダービーが行われていた。前日にホアン・ソト(ワシントン・ナショナルズ)が優勝したのとは、別のホームラン・ダービーだ。
両リーグの監督が選んだ各3人が、コーチの投げる球を3スウィングずつ。合計のホームランが多いリーグの勝ちとなる。本数が同じなら、3人中1人がさらに3スウィング。本数の差がつくまで、それを繰り返す。このホームラン・ダービーによる試合の決着は、今年からの新ルールだ。
ア・リーグは、タイ・フランス(シアトル・マリナーズ)、フリオ・ロドリゲス(マリナーズ)、カイル・タッカー(ヒューストン・アストロズ)が予定されていた。ナ・リーグの3人は、ピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)、ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)、シュワーバーだ。
オールスター・ゲームは、レギュラーシーズンやポストシーズンの試合とは違う。エキシビション・ゲームだ。かつては、一時期、オールスター・ゲームで勝ったリーグのチームが、その年のワールドシリーズでホーム・フィールド・アドバンテージ――第1~2戦と第6~7戦がホーム・ゲーム――を得ていたが、数年前からそうではなくなった。
オールスター・ゲームで勝敗にこだわる意味は、あまりない。ホームラン・ダービーによる決着も、問題はないように見える。
ただ、ホームラン・ダービーに、投手はまったく関与しない(ホームランとなりそうな打球をもぎ捕る外野手もいない)。球を投げるコーチは、打者の味方であり、ホームランを打たせることを目的とする。本来の投手とは、意味合いが異なる。
また、サッカーのPK戦に似ていると思うかもしれないが、PK戦の場合、ゴールキーパーがいるので、形としては、攻守の両面を備える。一方、ホームラン・ダービーは、攻守の攻だけだ。
なお、今年のオールスター・ゲームから、コミッショナーがメンバーを追加できる「レガシー・セレクション」も始まり、アルバート・プーホルス(セントルイス・カーディナルス)とミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)が選出された。それについては、こちらで書いた。