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球宴ホームラン・ダービーの出場者は半数がほぼ確定。あとの4人は…。大谷翔平も可能性あり!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
昨年のホームラン・ダービー出場者 Jul 12, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今年のホームラン・ダービーは、オールスター・ゲームの前日、7月18日に行われる。出場するのは8人だ。

 ピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)、ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)、アルバート・プーホルス(セントルイス・カーディナルス)の3人は、すでに出場が確定している。アロンゾは、今年も優勝すると、史上初の3連覇となる。これまでに3度優勝した選手も、ケン・グリフィーJr.しかいない。アクーニャJr.は、2019年に続く2度目の出場。初出場の3年前は、第2ラウンドでアロンゾに敗れた。プーホルスは、7年ぶり5度目の出場だ。優勝したことはない。今シーズンのホームランは、7月10日の時点で、アロンゾが23本、アクーニャJr.は8本、プーホルスは5本だ。

 彼らに加え、ジャンカルロ・スタントン(ニューヨーク・ヤンキース)の出場も、ほぼ決まりと見ていい。それについては、「6年前に優勝したハード・ヒッターが球宴のホームラン・ダービー出場に意欲」で書いた。今シーズンは、22本のホームランを打っている。

 あとの4人は、まだ決まっていない。本人の意向次第なので、予想は難しいものの、ミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)は、今シーズンのホームランこそ3本ながら、出場してもおかしくない。プーホルスとカブレラは、どちらもコミッショナーにより、オールスター・ゲームのメンバーに選ばれた(「「レジェンド枠」で球宴選出!? 将来の殿堂入りは確実だが、今シーズンはOPS.601」)。言い方は悪いが、コミッショナーが彼らを最大限に利用するつもりなら、2人揃ってホームラン・ダービー出場もあり得る。通算本塁打は、ともに500本を超えている。

 また、ドジャー・スタジアムで行われるのに、ロサンゼルス・ドジャースの選手が皆無ということは考えにくい。昨シーズン、プーホルスはドジャースでプレーしたが、現在はカーディナルスにいる。今のところ、ドジャースからオールスター・ゲームに選ばれている野手は、ファン投票選出の2人、ムーキー・ベッツトレイ・ターナーだ。ただ、昨年のアロンゾがそうだったように、オールスター・ゲームのメンバーでなくても、ホームラン・ダービーに出場することはできる。ドジャースの本塁打トップ5には、20本のベッツと13本のウィル・スミスに、11本の3人、ターナー、フレディ・フリーマンコディ・ベリンジャーが並んでいる。

 一方、ア・リーグのチームで、本拠地がドジャー・スタジアムに最も近いのは、言うまでもなく、ロサンゼルス・エンジェルスだ。こちらからも出場となると、筆頭候補は、大谷翔平だろう。マイク・トラウトのホームランは大谷より5本多く、24本を数えるが、ホームラン・ダービーには出場しない意向。ちなみに、30本塁打のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)と19本塁打のブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)も、トラウトと同様だ。

 上に挙げた選手以外では、ホームランの本数からすると、28本のカイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)、23本のバイロン・バクストン(ミネソタ・ツインズ)とオースティン・ライリー(ブレーブス)、22本のアンソニー・リゾー(ヤンキース)、21本のクリスチャン・ウォーカー(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)、20本のC.J.クロン(コロラド・ロッキーズ)らが、有力な候補になりそう。ジャッジとシュワーバーに次いで多い、26本塁打のヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)は、今月10日に故障者リスト入りした。

 他には、19本塁打のコリー・シーガー(テキサス・レンジャーズ)も捨て難い。昨オフにFAとなるまで、シーガーはドジャースでプレーしていた。17本塁打のジョク・ピーダーソン(サンフランシスコ・ジャイアンツ)も、2020年まではシーガーとチームメイトだった。ドジャースとジャイアンツはライバルだけに、ピーダーソンが出場すれば、歓声とともにブーイングも――特に、ドジャースの選手と対戦した場合は――起きるかもしれない。

 大ベテランのプーホルス(とカブレラ)と対比させるなら、15本塁打のルーキー、フリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)が適任のような気がする。

【追記:7/12】

 Z101デジタルのヘクター・ゴメスらによると、ホアン・ソト(ワシントン・ナショナルズ)も出場する方向だという。昨年、ソトは、第1ラウンドで大谷を破り、第2ラウンドでアロンゾに敗れた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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