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デビューから81試合で15本塁打&20盗塁は史上最速。90試合で到達の選手は400-400を達成

宇根夏樹ベースボール・ライター
フリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)Jul 4, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月4日、フリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)は、前日に続いてホームランを打ち、シーズン本塁打を15本とした。

 メジャーデビューしたのは、今シーズンの開幕戦だ。7月4日は、出場81試合目。2日前には、20盗塁に達している。スポーティング・ニューズ(スタッツセンター)によると、デビューから81試合で15本塁打&20盗塁は、史上最速(最少試合)だという。

 そのツイートには、ロドリゲスの前に95試合以下で到達した、5人が記してある。エリス・バークス(1987年)が82試合目、バリー・ボンズ(1986年)が90試合目、エリック・デービス(1984~85年)が91試合目、オードビー・マクダウェル(1985年)が93試合目、ジェイソン・キプニス(2011~12年)は95試合目だ。1980年代の中盤にデビューした選手が、5人中4人を占める。

 92試合未満で到達した3人は、その後のシーズンに30-30を達成している。バークスとデービスは1度ずつ。それぞれ、1996年と1987年だ。ボンズは5度。1990年と1992年、1995~97年のうち、1996年は30-30を超え、40-40に達した。

 また、ボンズは、1998年に史上初の400-400に到達した。彼に続く2人目は、まだ現れていない。なお、ボンズの場合、通算762本塁打と514盗塁なので、その上の500-500にもたどり着いている。ただ、1986~98年の411本塁打と445盗塁に対し、1999~2007年は351本塁打と69盗塁。各スパンのシーズン平均は、31.6本塁打と34.2盗塁、39.0本塁打と7.7盗塁だ。パワーとスピードをどちらも揃って発揮したのは、1998年までだった。

 ボンズがプレーしたのは、ピッツバーグ・パイレーツとサンフランシスコ・ジャイアンツの2チームだ。パイレーツは、1990~92年に3年続けて地区を制したが、1992年のオフにボンズが退団後は、20シーズン続けて負け越した。その間、ポストシーズンとは無縁だった。2013年に94勝を挙げてワイルドカードをゲットし、ようやく、長年にわたる「ストリーク」にピリオドを打った。

 過去20年、マリナーズは、ポストシーズンに進出することができていない(20シーズン中、勝ち越しは8度)。ボンズが去り、パイレーツはポストシーズンから遠ざかった。ロドリゲスの登場とともに、マリナーズは遠ざかっていたポストシーズンへたどり着くのかもしれない。

 7月5日、ロドリゲスは、ホームランこそ打たなかったものの、2安打と1盗塁を記録した。マリナーズは、6対2で勝利を収め、6月19日の時点で二桁だった借金を1まで減らした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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