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各チームから最も多くのホームランを打っている現役選手。トラウトはマリナーズ戦だけでなく…

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)Jun 24, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月24日、マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)は、クリス・フレクセン(シアトル・マリナーズ)の投球をセンターのフェンスの向こうまで弾き返した。トラウトがマリナーズの投手から打ったホームランは、通算53本目だ。ラファエル・パルメイロを追い抜き、マリナーズを相手に歴代の誰よりも多くのホームランを打った選手となった。昨シーズンを終えた時点では、パルメイロと5本差の47本塁打だったが、今シーズンはここまで、マリナーズ戦の6試合で6本塁打を記録している。

 それぞれのチームから最も多くのホームランを記録している現役選手は、以下のとおり。

筆者作成
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 トラウトは、テキサス・レンジャーズ戦の43本塁打とオークランド・アスレティックス戦の39本塁打も、現役最多だ。マリナーズ戦と同じように、レンジャーズ戦のホームランも、歴代トップに立つ可能性はある。歴代最多はレジー・ジャクソンの54本塁打だ。一方、アスレティックス戦については、トップには追いつけそうにない。こちらは、ベーブ・ルースの108本塁打が最も多い。

 ルースは、アスレティックス戦の他に、デトロイト・タイガース戦の123本塁打、シカゴ・ホワイトソックス戦の98本塁打、ボルティモア・オリオールズ戦の96本塁打、クリーブランド・ガーディアンズ戦の92本塁打、ボストン・レッドソックス戦の90本塁打、ミネソタ・ツインズ戦の89本塁打も、歴代トップに位置する(チームは現名称で表記)。

 これは、ルースがホームランを量産しただけでなく、当時はチーム数が少なく、同じチームと対戦する機会が多かったことも理由だ。

 歴代トップの現役選手は、マリナーズ戦のトラウトと、ヒューストン・アストロズ戦で62本塁打のアルバート・プーホルス(セントルイス・カーディナルス)しかいない。

 こちらの要因としては、どちらもエクスパンション・チームであることが挙げられる。マリナーズは1977年、アストロズは1962年からだ(1962~64年はヒューストン・コルト.45s)。また、プーホルスは、キャリアの大半をアストロズと同じ地区で過ごしてきた。アストロズは、1994年から2012年までがナ・リーグ中地区、2013年からはア・リーグ西地区。プーホルスは、2001年から2011年までナ・リーグ中地区のカーディナルス、2012年から2021年のシーズン序盤までア・リーグ西地区のエンジェルスでプレーした(その後、ロサンゼルス・ドジャースを経て、カーディナルスに戻っている)。

 プーホルスの後を追うように、アストロズは地区を移り、そして、新たな地区でもプーホルスにホームランを打たれた、という見方も、できなくはない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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