先月にノーヒッターを達成したルーキーがマイナーリーグへ降格。一発屋として消えてゆく可能性は…
6月22日、ロサンゼルス・エンジェルスは、リード・デトマーズをAAAへ降格させた。
デトマーズは、5月10日にノーヒッターを達成した。それから、まだ1ヵ月半が経っていない。ただ、ここまでの12先発は、防御率4.66とFIP5.37。ノーヒッター後の6先発は、防御率5.67とFIP6.87だ。
今シーズンは、メジャーリーグ2年目。ノーヒッターは、通算11先発目だった。
キャリアが始まってまもない段階の快挙は、必ずしも、その後の成功を約束するものではない。2001年以降では、バド・スミスとクリス・ヘストンがそうだ。
スミスは、メジャーリーグ1年目の2001年9月3日にノーヒッターを達成した。この試合は、11先発目(13登板目)だった。翌年を最後にメジャーリーグから姿を消し、2006~07年に独立リーグで投げた後、プロとしてのキャリアを終えた。
ヘストンのノーヒッターは、メジャーリーグ2年目、通算13先発目(15登板目)の2015年6月9日だ。この年は31先発で防御率3.95を記録したものの、翌年以降の2シーズンは、リリーフ6登板と先発1登板のみ。2018年にサンフランシスコ・ジャイアンツへ戻ったが、昇格することなく、夏に解雇。その後は、どの球団とも契約していない。
また、昨年8月14日のメジャーリーグ初先発(4登板目)でノーヒッターを達成したタイラー・ギルバート(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)も、現在はAAAにいる。
ただ、デトマーズが一発屋として消えてゆく可能性は、現時点では低い。ドラフト順位は、2020年の全体10位。年齢は、来月8日に誕生日を迎えても、まだ23歳だ。エンジェルスは将来を考慮し、現在の状態のままメジャーリーグで登板するよりも、マイナーリーグで調整をさせたほうがいい、と判断したのだろう。
エンジェルスのローテーションに、余裕があるわけではない。6月24日~29日の6試合中4試合は、マイケル・ロレンゼン、パトリック・サンドバル、ノア・シンダーガード、大谷翔平が先発マウンドに上がりそうだが、それ以外の2試合――最後の2試合とは限らない――は不透明。AAAにいる3人、ホゼ・スアレス、ジョナサン・ディアズ、チェイス・チェイス・ソーセスのうち、2人を再昇格させそうだ。
マイナーリーグでの調整がうまくいけば、デトマーズがメジャーリーグで戻ってくる日は、そう遠くないと思われる。