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昨年の打点王が、今年は併殺打王!? このままいくと、歴代トップ10にランクインも

宇根夏樹ベースボール・ライター
現時点の12併殺打は両リーグ最多(写真:イメージマート)

 昨シーズン、島内宏明(東北楽天ゴールデンイーグルス)は、96打点を挙げ、打点王を獲得した。今シーズンは、ここまで27打点。8位タイに位置し、トップの山川穂高(埼玉西武ライオンズ)と浅村栄斗(東北楽天)とは17打点の差がある。

 まだ、2年連続の打点王が潰えたわけではないが、今シーズンは、打点王よりも併殺打王となる可能性のほうが高そうだ。12併殺打の島内を除くと、パ・リーグに9本以上の選手はいない。セ・リーグのトップは、10本のダヤン・ビシエド(中日ドラゴンズ)と梅野隆太郎(阪神タイガース)だ。

 昨シーズンも、島内の併殺打は多く、リーグ2位タイの15本を数えた。最多の浅村と比べると9本少ないものの、左打者のなかでは、宗佑磨(オリックス・バファローズ)と並び、リーグで最も多かった。

 左打者による、併殺打のシーズン歴代トップ10は、以下のとおりだ。

筆者作成
筆者作成

 現時点で、東北楽天は63試合を終えている。島内の併殺打は、5.25試合に1本の割合だ。ここからの80試合も同じ割合だと、シーズン全体の併殺打は27本に達し、左打者では1994年に29本の駒田徳広に次ぐ。右打者とスイッチ・ヒッターを含めても、27本は歴代7位タイに位置する。1978年の大杉勝男と、2016年の内川聖一(当時・福岡ソフトバンク・ホークス/現・東京ヤクルト・スワローズ)に並ぶ。ちなみに、駒田の29本は歴代3位。その上にいるのは、1989年に34本のブーマー・ウェルズと、1973年に31本の野村克也だ。

 もっとも、島内の併殺打は、あまり増えないかもしれない。開幕から5月7日までに10本を記録した後は、5月22日と29日に1本ずつ。今月の併殺打は0本だ。

 なお、併殺打が多くても、全体の成績が悪いとは限らない。例えば、1986年に25併殺打のレロン・リーは、打撃三冠ともリーグ6位以内にランクインした。打率.331が4位、31本塁打が6位タイ、94打点は6位だ。1998年に21併殺打のイチローは、リーグ1位の打率.358と2位の出塁率.414を記録している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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