この投手が史上最長の「40登板連続無失点」に並んだその日、並ばれた投手は別の理由で怒り心頭
6月5日、同点の9回表に登板したジョシュ・ヘイダー(ミルウォーキー・ブルワーズ)は、3人でイニングを終わらせた。そして、10回表のマウンドには上がらなかった。
昨年7月28日に打たれたホームランを最後に、ヘイダーは得点を許していない。連続無失点は40登板に達し、2018~19年にライアン・プレスリー(ヒューストン・アストロズ)が記録した、史上最長のストリークに並んだ。
一方、ヘイダーに並ばれたプレスリーも、同じ日に別の試合に登板した。こちらは、4点リードの9回裏だ。ただ、プレスリーは、イニングを終えることができなかった。最初の2人を討ち取り、3人目に3球を投げたところで降板となった。
故障したのではない。プレスリーが右打者の内角に投じた速球に対し、球審は故意にぶつけようとしたと判断。他の審判を呼んで協議した後、プレスリーに警告を発した。それに対して異議を唱えたプレスリーは、退場を宣告された。
確かに、打者が腰を引かなければ、死球になっていただろう。この投球だけでなく、1球目も打者の身体に近かった。また、アストロズの選手は、この試合で2回表と9回表にぶつけられている。相手チームはゼロだ。
とはいえ、プレスリーの投球は、実際には打者に当たっていない。退場を告げられたプレスリーは、球審を指差しながら何かを叫び、詰め寄ろうとして、捕手のマーティン・マルドナードらに制止された。
試合は、7対4でアストロズが勝ったものの、プレスリーの怒りは収まらず、ヒューストン・クロニクルのチャンドラー・ロームらに「内角に投げるのは禁止なのかよ」などとコメントした。
プレスリーの40登板連続無失点は、ヘイダーに並ばれただけではくなく、追い越される可能性も高いが、そうなったとしても、右投手では最長だ。プレスリーが塗り替えるまでは、2011年にクレイグ・キンブレル(当時アトランタ・ブレーブス/現ロサンゼルス・ドジャース)が記録した、38試合連続無失点が最も長かった。
なお、40登板連続無失点の当時、プレスリーは、クローザーではなくセットアッパーだった。試合を締めくくるようになったのは、2020年からだ。ちなみに、ラストネームの綴りは、あのエルビスとは違う。こちらは「Pressly」なので、sが一つ多く、最後のlとyの間にeは入っていない。