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初回を投げ終えた投手が、その直後に退場を宣告される。不正投球の発覚ではなく…

宇根夏樹ベースボール・ライター
マディソン・バムガーナー(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)May 4, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月4日、先発マウンドに上がったマディソン・バムガーナー(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)は、先頭打者にホームランを打たれたものの、そこから3人続けて外野フライに討ち取った。

 一塁側のダグアウトへ戻る前に、バムガーナーは、ボールに異物を付着させていないかどうかを、一塁の塁審にチェックされた。それが終わり、歩き出しかけたところで、塁審に退場を宣告された。

 不正投球による退場ではない。映像を確認すると、バムガーナーは、去り際に何かを言っている。それが、審判に対する侮辱と看做されたようだ。バムガーナーの発言が、球審の下したストライク/ボールの判定についてなのか、塁審が両手でバムガーナーの掌を触ったことについてだったのかは、はっきりしない。

 激昂したバムガーナーは、塁審に詰め寄ろうとして、コーチに押しとどめられた。トーリ・ルベロ監督が出てきて、塁審と話したが、もちろん、退場は覆らなかった。

 バムガーナーに代わって投げたコービン・マーティンは、登板直後の2回裏に2点を取られた。このままいくと、バムガーナーの退場は、ダイヤモンドバックスの黒星につながる、手痛いものになりかねなかった。けれども、マーティンは、その後の3イニングを無失点で切り抜けた。ダイヤモンドバックスは、4回表に5点を挙げて逆転し、その後、再びリードされたものの、8対7で勝利を収めた。

 なお、バムガーナーは、今シーズンが5年8500万ドルの契約3年目だ。過去2シーズンの防御率は6.48と4.67ながら、今シーズンは、この日の1イニングを含め、6登板の計24.0イニングで防御率1.50を記録している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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