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J-RODの「初本塁打が450フィート以上」は2015年以降8人目。その顔ぶれは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
フリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)May 1, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月1日、フリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)は、メジャーリーグ初本塁打を記録した。スタットキャストは、このホームランの推定飛距離を450フィート(約137.2m)としている。MLB.comのサラ・ラングスによると、2015年以降の「スタットキャスト・エラ」において、初本塁打の飛距離が450フィート以上の選手は、J-RODが8人目だという。

 最長となる、468フィート(約142.6m)の初本塁打を記録したのは、2018年9月3日のクリス・ショウだ。けれども、ショウはメジャーリーグで2本目のホームランを打っていない。出場も2018~19年の計38試合に過ぎず、現在は独立リーグでプレーしている。

 ショウに次ぐ、467フィート(約142.3m)の初本塁打は、2017年7月5日にジョン・グレイ(現テキサス・レンジャーズ)が打った。こちらは、昨オフに4年5600万ドルの契約を手にしている。もっとも、当時も今も、グレイは投手だ。ホームランはこの1本しか記録しておらず、今シーズンからユニバーサルDHが導入されたので、今後、打席に立つこともないだろう。

 ショウとグレイとJ-ROD以外の5人は、飛距離の順に、2017年6月8日に461フィート(約140.5m)のオースティン・スレイター(サンフランシスコ・ジャイアンツ)、2017年7月26日に同じく461フィートのルイス・ブリンソン(現ヒューストン・アストロズ)、2019年7月13日に457フィート(約139.3m)のボビー・ブラッドリー(クリーブランド・ガーディアンズ)、昨年7月17日に456フィート(約139.0m)のジェイク・バーガー(シカゴ・ホワイトソックス)、2019年8月27日に455フィート(約138.7m)のサム・ヒリヤード(コロラド・ロッキーズ)だ。いずれも、まだブレイクはしていない。通算本塁打は、5人合わせてちょうど100本だ。

 J-RODは、開幕からセンターを守り、失敗なしで9盗塁を決めているものの、初本塁打は21試合目と遅く、ここまでは打率.234(77打数18安打)と出塁率.306、長打は二塁打4本とホームラン1本に過ぎない。初本塁打の打席は、直前の打者が敬遠四球で歩かされた。

 ただ、4月22日以降の9試合は、打率.364(33打数12安打)と出塁率.432、二塁打3本とホームラン1本だ。その前の12試合にはなかった複数安打は4試合を数え、5月1日は、こちらも初の1試合3安打を記録している。

 5ツールを備えたトップ・プロスペクトのブレイクは、すでに始まっているのかもしれない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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