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2シーズンに合計100本塁打以上の打者たち。MLBは12人、NPBは5人。大谷翔平は前年+8本なら…

宇根夏樹ベースボール・ライター
アレックス・ロドリゲス MAY 12, 2001(写真:ロイター/アフロ)

 連続する2シーズンに合計100本塁打以上は、これまでに、メジャーリーグで12人が記録している。延べ人数は25人だ。

 数え方の一例を挙げると、アレックス・ロドリゲスは、2001~02年が合計109本(52本+57本)、2002~03年は合計104本(57本+47本)なので、2度(延べ2人)としている。どちらの合計100本塁打以上も、2002年の57本を含む。それぞれ、2002年とその前年、2002年とその翌年だ。

 55本塁打以上のシーズンがあっても、ロドリゲスのようになるとは限らない。2006年に58本のホームランを打ったライアン・ハワード――2002年のロドリゲスより1本多い――の場合、2006~07年は合計105本(58本+47本)だが、2005~06年の合計は80本(22本+58本)だ。もっとも、2005年の出場は88試合。この年、ハワードは新人王を受賞し、翌年はMVPに選ばれた。

 2シーズンの合計最多は、1998~99年にマーク・マグワイアが記録した135本(70本+65本)だ。マグワイアをはじめ、合計100本塁打以上が2度以上の6人中5人は、いずれも、2シーズンの一方が、他の2シーズンと重なっている。だが、ベーブ・ルースだけは違う。1920~21年に合計113本(54本+59本)のホームランを打った後、1922~25年の「ブランク」――この4シーズンは、35本、41本、46本、25本――を挟み、1926年から1929年にかけて、2シーズンに合計100本塁打以上を3度続けて記録した。

筆者作成
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 昨シーズン、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、46本のホームランを打った。今シーズンのホームランが前年プラス8本の54本なら、2シーズンの合計は100本となる。大谷よりも2本多かったブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)とサルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)は、前年プラス4本の52本でそうなる。

 ハードルは極めて高いが、前例は皆無ではない。シーズン45本塁打以上を記録し、その直後のシーズンにそれよりも10本以上多いホームランを打った選手は4人。1926~27年のルース(プラス13本)と1997~98年のマグワイア(プラス12本)に、2000~01年のバリー・ボンズ(プラス24本)とサミー・ソーサ(プラス14本)がそうだ。1996~97年のケン・グリフィーJr.と2005~06年のデビッド・オティーズも、45本塁打以上とその本数プラス7本だった。

 ちなみに、日本プロ野球で2シーズンに合計100本塁打以上は、5人(延べ6人)が記録している。王貞治が1973~74年に合計100本(51本+49本)、落合博満が1985~86年に合計102本(52本+50本)、ランディ・バースが1985~86年に合計101本(54本+47本)、タフィー・ローズが2001~02年に合計101本(55本+46本)。そして、アレックス・カブレラは2度。2001~02年が合計104本(49本+55本)で、2002~03年は合計105本(55本+50本)だ。2013年に60本のホームランを打ったウラディミール・バレンティンは、その前後のどちらも、31本だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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