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ポストシーズンに進出するチームの増加を昨年に当てはめると、最も遠ざかっているマリナーズは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
マリナーズのポストシーズン進出は、2001年が最後 Oct 3, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨年のポストシーズンには、10チームが進出した。各リーグ5チーム、地区優勝の3チームとワイルドカードの2チームだ。今年から、その数は増える。USAトゥディのボブ・ナイテンゲールによると、MLB機構と選手会は、ポストシーズン進出を12チームにすることについて、合意に達したという。さらに、ESPNのジェフ・パッサンらは、MLB機構が14チームの進出を提案、と報じている。これに対し、選手会は「ゴースト・ウィン」を取り入れるなら14チームもあり、としているらしい。この「ゴースト・ウィン」は、日本プロ野球において、リーグ優勝チームがクライマックス・シリーズのファイナル・ステージで持つ、アドバンテージの1勝と同じだ。

 各リーグ6チーム(計12チーム)の場合、フォーマットはこうなるはずだ。まず、地区優勝3チームのなかで勝率の最も低い1チームと、ワイルドカードの3チームは、ワイルドカード・シリーズ(2カード)を行う。そこで先に2勝を挙げ、勝ち上がったチームが、ディビション・シリーズ(2カード)で残る地区優勝のチームと対戦する。ディビジョン・シリーズ以降は、従来と変わらない。

 各リーグ7チーム(計14チーム)の場合、ワイルドカード・シリーズは3カードだ。リーグ最高の勝率を記録したチームだけが、ディビジョン・シリーズからスタートする。

 昨年の各リーグに当てはめると、ポストシーズン進出が6チームなら、ナ・リーグは、西地区優勝のサンフランシスコ・ジャイアンツ(勝率.660)、中地区優勝のミルウォーキー・ブルワーズ(勝率.586)、東地区優勝のアトランタ・ブレーブス(勝率.547)、ワイルドカードのロサンゼルス・ドジャース(勝率.654)とセントルイス・カーディナルス(勝率.556)に、シンシナティ・レッズ(勝率.512)が加わる。7チームの進出であれば、フィラデルフィア・フィリーズ(勝率.506)もワイルドカードとなる。ナ・リーグの他8チームは、いずれも負け越した。

 一方、ア・リーグは、東地区優勝のタンパベイ・レイズ(勝率.617)、西地区優勝のヒューストン・アストロズ(勝率.586)、中地区優勝のシカゴ・ホワイトソックス(勝率.574)、ワイルドカードのボストン・レッドソックス(勝率.568)とニューヨーク・ヤンキース(勝率.568)が、ポストシーズンへ進んだ。そこに、トロント・ブルージェイズ(勝率.562)、あるいはブルージェイズとシアトル・マリナーズ(勝率.556)が加わる。勝ち越したチームのうち、オークランド・アスレティックス(勝率.531)は、いずれにせよポストシーズンにはたどり着けず、マリナーズは、進出するチーム数による。また、東地区は、勝率がリーグで最も低かったボルティモア・オリオールズ(勝率.321)を除く4チームが、ポストシーズン進出となる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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