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シーズン0本塁打で規定打席以上。MLBは過去10年に1人だけ。NPBは何人!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
中島卓也 Mar 18, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 規定打席に到達しながら、そのシーズンのホームランが0本というメジャーリーガーは、10年近く途絶えている。最後にこれを記録したのは、2012年のベン・リビアだ。この年のリビアは、ミネソタ・ツインズでライトとセンターを主に守り、出場124試合の553打席で打率.294(511打数150安打)と出塁率.333、40盗塁を記録した。長打は、二塁打が13本と三塁打が6本。合計20本に届かなかった。

 ちなみに、リビアのシーズン最多本塁打は2本だ。2014~16年に、3年続けて2本ずつ打った。2017年の1本を含む通算7本塁打のなかに、ランニング本塁打はない。初本塁打については、その直後に「ベン・リビアがデビューから1466打数目の初本塁打。勝手な思いながら、スタンドに入ったのは少し残念」で書いた。

 一方、日本プロ野球の場合、規定打席以上で0本塁打は、メジャーリーグほど稀少ではない。2012年以降の10シーズンに、延べ9人を数える。中島卓也(北海道日本ハム・ファイターズ)は、2014~16年に3年連続。大和(現・横浜DeNAベイスターズ)は、2013年と2019年の2度だ。

筆者作成
筆者作成

 2010年から2018年まで千葉ロッテ・マリーンズでプレーした岡田幸文は、キャリアを通してホームランがなかった。2247打数で0本だ。他の5人も、ホームランが二桁のシーズンはない。ただ、2017年と2018年に1本ずつの中島以外は、通算10本以上のホームランを記録している。

 6人とも、規定打席に到達してホームランなしのシーズンは、二塁、遊撃、センターのいずれかを主に守った。彼らのうち、岡田と本多雄一は、2018年を最後に引退。あとの4人は今も現役選手だが、過去2年に規定打席以上は、2020年の坂口智隆(東京ヤクルト・スワローズ)だけ。この年の坂口は、一塁と外野3ポジションを守りながら、自己最多の9本塁打を記録した。

 なお、過去2年は、規定打席に達した延べ114人とも、ホームランを記録している。そのなかの最少は、2020年も2021年も、1本塁打の各3人だ。2020年は、源田壮亮(埼玉西武ライオンズ)、大島洋平(中日ドラゴンズ)、アルシデス・エスコバー(当時・東京ヤクルト/現ワシントン・ナショナルズ)。2021年は、福田周平(オリックス・バファローズ)、大島、中野拓夢(阪神タイガース)がそう。彼らが主に守ったのは、遊撃あるいはセンターだった。

 2020年のメジャーリーグは、1チームにつき60試合ということもあり、規定打席以上で1本塁打が3人いたが、2021年は皆無。ニッキー・ロペス(カンザスシティ・ロイヤルズ)とデビッド・フレッチャー(ロサンゼルス・エンジェルス)の各2本が、規定打席に達した選手では、最も少なかった。彼らは、遊撃手と二塁手だ。ロペスとチームメイトのサルバドール・ペレスの合計は50本、フレッチャーと大谷翔平の合計は48本となる。トロント・ブルージェイズで最少と最多の2人(規定打席以上)は、21本のルルデス・グリエルJr.と48本のブラディミール・ゲレーロJr.なので、その合計は69本だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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