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通算0勝で「最も多く負けた投手」は何敗しているのか。現役最多は0勝8敗

宇根夏樹ベースボール・ライター
ヨハン・オビエド(セントルイス・カーディナルス)Jun 16, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨年のメジャーリーグには、5敗以上を喫し、1勝も挙げられなかった投手が7人いた。そのなかの最多敗は、0勝7敗のディーン・クレイマー(ボルティモア・オリオールズ)だ。13先発で防御率7.55。クオリティ・スタートの2試合は、白星も黒星もつかなかった。

 もっとも、クレイマーの黒星は、史上最多と比べると、約半数に過ぎない。今からちょうど40年前、ミネソタ・ツインズのテリー・フェルトンは、先発6登板とリリーフ42登板で、0勝13敗と3セーブを記録した。防御率は4.99だった。

 フェルトンは、メジャーデビューした1979年から1981年までの3シーズンも、計7登板(うち4先発)で0勝3敗。1983~84年はマイナーリーグで投げ、メジャーリーグで再び登板することなく、キャリアを終えた。通算の16敗も、白星がない投手では最も多い。

 一方、クレイマーは、メジャーデビューした2020年9月6日に、6イニングを投げて1失点に抑え、白星を挙げている。この年は1勝1敗なので、現時点の通算は1勝8敗だ。

 通算0勝の現役投手では、ヨハン・オビエド(セントルイス・カーディナルス)の8敗が最も多い。こちらは、2020年が先発5登板で0勝3敗(防御率5.47)、2021年は先発13登板とリリーフ1登板で0勝5敗(防御率4.91)だ。クオリティ・スタートは、昨年の2試合。6月16日は7イニングを投げ、スコアボードにゼロを7つ並べたが、味方も得点を挙げられず、9回裏にようやく、オビエドとバッテリーを組んでいたヤディアー・モリーナが、サヨナラ安打を打った。

 なお、日本プロ野球で白星なしの投手では、見落としがなければ、笠原栄一の8敗が最も多い。1986~91年にロッテ・オリオンズ、1995年に福岡ダイエー・ホークスで投げた。笠原の息子、将生大芽も日本プロ野球でマウンドに上がった。将生は、2012~15年に読売ジャイアンツで7勝1敗(1セーブと3ホールド)。大芽は、2017~18年に福岡ソフトバンク・ホークスで0勝0敗だ。セーブとホールドもなかった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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