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各球団最後の20盗塁デュオ。今年は3組。阪神の中野&近本と千葉ロッテの和田&荻野に…

宇根夏樹ベースボール・ライター
近本光司 AUGUST 26, 2018(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

 今シーズン、12球団中3球団は、20盗塁以上の選手が2人いた。阪神タイガースは30盗塁の中野拓夢と24盗塁の近本光司、千葉ロッテ・マリーンズはどちらも24盗塁の和田康士朗荻野貴司、埼玉西武ライオンズは24盗塁の源田壮亮と20盗塁の若林楽人だ。

 3年前の2018年には、それぞれ20盗塁以上のチームメイトが4組誕生している。トリオが1組とデュオが3組だ。3人の埼玉西武は、34盗塁の源田、32盗塁の金子侑司、25盗塁の外崎修汰。2人の3球団は、北海道日本ハム・ファイターズが44盗塁の西川遥輝(現・東北楽天ゴールデンイーグルス)と29盗塁の中島卓也、千葉ロッテが39盗塁の中村奨吾と20盗塁の荻野、中日ドラゴンズは21盗塁の大島洋平と20盗塁の京田陽太だ。埼玉西武では、2017年と2019年も、同じ3人が揃って20盗塁以上を記録した。彼らは、3年連続の20盗塁トリオということになる。中日の2人も、2017~18年に2年連続の20盗塁デュオだ。

 ただ、なかには、20盗塁デュオが久しく途絶えていた球団もある。阪神で複数の選手が20盗塁以上は、1982年に25盗塁の北村照文と22盗塁のキム・アレン以来。その間、20盗塁デュオまであと2盗塁以下に迫ったことは3度あった――1989年が22盗塁の大野久と18盗塁の和田豊、2003年が61盗塁の赤星憲広と18盗塁の金本知憲、2018年は22盗塁の糸井嘉男と19盗塁の植田海――が、ブランクを終わらせるには至らなかった。

 39年ぶりに誕生した阪神の20盗塁デュオのうち、中野は今シーズンの盗塁王、近本は2019~20年の盗塁王だ。年齢は25歳と27歳。来シーズン以降も20盗塁デュオを結成してもおかしくなく、30盗塁デュオの可能性もありそうだ。

筆者作成
筆者作成

 一方、阪神に代わり、20盗塁デュオの不在が最長となったのは、横浜DeNAベイスターズだ。現時点では、横浜ベイスターズ時代の1999年に39盗塁の石井琢朗と21盗塁の波留敏夫が最後。12球団で唯一、21世紀の20盗塁デュオがいない。しかも、ここ4シーズンは、デュオどころか20盗塁以上が皆無だ。今シーズンは、桑原将志の12盗塁が最も多かった。

 かつて、この球団には、スピードスターの「スーパーカー・トリオ」がいた。彼らは、横浜大洋ホエールズ時代の1985年にNPB史上唯一の40盗塁トリオを結成。屋鋪要が58盗塁、加藤博一が48盗塁、高木豊は42盗塁を記録した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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