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トラウトに続いて「4億ドル以上」の大型契約を得るのは、大谷ではなくこの選手!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホアン・ソト(左)と大谷翔平 Jul 12, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2019年の開幕前に、ロサンゼルス・エンジェルスは、マイク・トラウトと12年4億2650万ドル(2019~30年)の延長契約を交わした。総額4億ドル以上の契約は、メジャーリーグ史上初。まだ、2人目はいない。3億5000万ドル以上の契約も、他には、ムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)の12年3億6500万ドル(2021~32年)だけだ。

 今オフ、総額4億ドル以上の契約を手にする選手が出てくるとすれば、その可能性が最も高いのは、ホアン・ソト(ワシントン・ナショナルズ)ではないだろうか。

 2018年に19歳でメジャーデビューしたソトは、4年続けてOPS.920以上を記録している。各シーズンの数値は、2018年が.923、2019年が.949、2020年が1.185、2021年は.999。短縮シーズンの2020年を例外とすれば、基本的に右肩上がりだ。四球率は16.0%→16.4%→20.9%→22.2%、三振率は20.0%→20.0%→14.3%→14.2%。どちらも年々よくなっていて――三振率は2018年も2019年も20.0%だが、2019年のほうがわずかに低い――ここ2年はいずれも、三振が四球より少ない。

 また、ここ4年のOPS.981とここ3年のOPS1.001は、どちらもトラウトの1.072と1.062に次ぎ、各スパンの2位に位置する(それぞれ、800打席以上の309人と220人中)。

 ソトは23歳。10月25日に誕生日を迎えたばかりだ。故障者リストに入ったことはあるものの、長期欠場はない。

 フェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)は、数ヵ月ながらソトよりも若い。こちらは、2019年のメジャーデビューから3年続けてOPS.930以上を記録し、通算81本塁打は、このスパンのソトより5本多い。ソトがレフトあるいはライトを守るのに対し、タティースJr.は遊撃手だ。ただ、今年2月に14年3億4000万ドル(2021~34年)の延長契約を手にしたので、この契約が満了する時は35歳になっている。また、四球率はソトほど高くなく、三振率はソトより高い。今シーズンは、故障者リストに3度入った。

 12月に24歳となるロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)も、2年前の開幕直後に8年1億ドル(2019~26年)の延長契約を交わしている。この契約には、2027年と2028年の球団オプションがつく。来年3月で23歳のブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)は、今シーズンがブレイク・イヤーだ。それまでの2シーズンは、OPS.800未満だった。

 大谷翔平(エンジェルス)の場合、年俸あるいは年平均額は高くても、総額はそこまで大きくならないだろう。ソトの4歳上であるだけでなく、前例のない二刀流という要素も加わる。その点については、9月に「大谷翔平がエンジェルスを去るのはいつ!? FAになるのは2年後だが、その前に…」で考察した。

 もっとも、実際に、ソトが総額4億ドル以上の契約を得るかどうかはわからない。それに値する選手だとしても――私はそう思う――球団の年俸総額との兼ね合いもある。現在のナショナルズには、総額1億ドル以上の契約を持つ選手が2人いる。スティーブン・ストラスバーグは7年2億4500万ドル(2020~26年)、パトリック・コービンは6年1億4000万ドル(2019~24年)だ。この2人の年俸を合計すると、2022年が5800万ドル、2023年が5900万ドル、2024年は7000万ドルとなる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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