Yahoo!ニュース

リーグ優勝の翌年に負け越しは、福岡ソフトバンクも読売もそれぞれ2度目。最多の球団は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
July 10, 2020(写真:ロイター/アフロ)

 今シーズン、福岡ソフトバンク・ホークス読売ジャイアンツは、どちらも勝率.500未満に終わった。昨シーズン、この2球団は、それぞれのリーグを制した。

 両球団とも、リーグ優勝の翌年に負け越すのは、今回が初めてではない。いずれも2度目だ。福岡ソフトバンクは南海ホークス時代の1967年、読売は1997年に経験している。ちなみに、読売の原辰徳監督は、1995年を最後に選手生活を終え、1998年のオフにコーチとして球団へ戻ったので、前回のリーグ優勝→負け越し(1996~97年)には関わっていない。

 パ・リーグでリーグ優勝の翌年に負け越しは、今回の福岡ソフトバンクが10度目、セ・リーグは読売が12度目。同じ年に両リーグの球団が揃ったことは、これまでなかった。球団別では、東京ヤクルト・スワローズの回数が飛び抜けて多く、5度を数える。他の球団は、すべて2度以下だ。

筆者作成
筆者作成

 なかでも、1993年から1998年にかけて、ヤクルトは、リーグ優勝と負け越しを交互に繰り返した。この6年間における、負け越しの順位は3度とも4位なので、その変遷は、1位→4位→1位→4位→1位→4位となる。しかも、この繰り返しが始まる前の1992年は1位、終わってからの3年間(1999~2001年)は4位、4位、1位。1992~2001年の10年間は、1位と4位が5度ずつ、他の順位は皆無だ。

 また、1950年にセ・リーグ優勝の松竹ロビンス、1997年にセ・リーグ優勝のヤクルト、2013年にパ・リーグ優勝の東北楽天ゴールデンイーグルス、2015年にセ・リーグ優勝の東京ヤクルトは、翌年から2年以上続けて負け越した。1998~2000年のヤクルトは、3年連続で66勝69敗(1998~99年は0分、2000年は1分)を記録した。

 一方、リーグ優勝の翌年の負け越した後、翌々年に再びリーグ優勝も、同じく4球団だ。1993~95年と1995~97年のヤクルトに加え、1962~64年と2003~05年の阪神タイガースが、リーグ優勝→負け越し→リーグ優勝と推移した。

 なお、今シーズンの福岡ソフトバンクは4位だが、読売は3位に位置してクライマックス・シリーズへ進むので、そこで阪神と東京ヤクルトをどちらも倒せば、3年連続の日本シリーズ進出となる。リーグ優勝の翌年に負け越した球団では、2005年の西武ライオンズが3位に位置し、プレーオフへ進んだ。ただ、この時の西武は、千葉ロッテ・マリーンズから白星を挙げることなく、2試合でプレーオフから姿を消した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事