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大谷もペレスもゲレーロJr.も地区4位のチームにいるが、ゲレーロJr.はポストシーズン出場の可能性も

宇根夏樹ベースボール・ライター
T.ヘルナンデス(左)とV.ゲレーロJr. Sep 4, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月9日を終え、ア・リーグの本塁打トップ3には、43本の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)、42本のサルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)とブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)が並んでいる。

 彼らがいるチームは、それぞれ地区が異なる。エンジェルスは西地区、ロイヤルズは中地区、ブルージェイズは東地区だ。そして、3チームとも地区4位に位置し、首位には10ゲーム以上離されている。ちなみに、38本塁打で4位のマーカス・シミエンは、ゲレーロJr.とチームメイトだ。

 ただ、地区順位は同じでも、そこには大きな違いがある。エンジェルスは69勝71敗(勝率.493)、ロイヤルズは63勝77敗(勝率.450)、ブルージェイズは77勝62敗(勝率.554)。ワイルドカード・レース――各地区の1位を除くリーグ12チームのうち、上位2チームがワイルドカードとしてポストシーズン進出――の順位は、7位と9位と3位だ。エンジェルスが2位と9ゲーム差であるのに対し、ブルージェイズは0.5ゲームしか離れていない。1位との差も1.5ゲームだ。ワイルドカード・レースのトップ2には、ブルージェイズと同じ東地区のボストン・レッドソックスとニューヨーク・ヤンキースが位置する。ワイルドカードの2チームは、必ずしも地区2位と地区2位ではなく、同地区の地区2位と地区3位ということもある。

 8月末の時点で、ブルージェイズはワイルドカード・レースの5位にいて、2位とは4.5ゲーム離れていた。だが、9月に入ってからは、負け知らずの8連勝。6日~9日にアウェーでヤンキースをスウィープし、一気に差を詰めた。レッドソックスとはすでに19試合を終えているが、ヤンキースとはあと3試合を行う。

 ここからの23試合は、東地区5位のボルティモア・オリオールズ(8勝4敗)と中地区5位のミネソタ・ツインズ(対戦なし)と7試合ずつ、東地区1位のタンパベイ・レイズ(5勝8敗)と6試合、東地区3位のヤンキース(10勝6敗)と3試合だ。試合の多い順に並べた。カッコ内は今シーズンの対戦成績だ。

 ヤンキースの22試合は、7チームと3試合ずつ、ナ・リーグ東地区3位のニューヨーク・メッツ(1勝2敗)、東地区5位のオリオールズ(9勝7敗)、中地区2位のクリーブランド・インディアンズ(3勝1敗)、西地区5位のテキサス・レンジャーズ(3勝1敗)、東地区2位のレッドソックス(6勝10敗)、東地区4位のブルージェイズ(6勝10敗)、東地区1位のレイズ(7勝9敗)に、中地区5位のツインズ(5勝1敗)と1試合となっている。

 ブルージェイズは、ポストシーズン進出の可能性がゼロかゼロに近いチームと14試合を行う。ヤンキースは10試合だ。メッツは地区首位と5ゲーム差なので、まだあきらめるのは早い。インディアンズは地区2位ながら、勝率は.500に過ぎず、ポストシーズンには進めそうにない。

 162試合を終え、ワイルドカード・レースの2位に2チームが並んだ場合は、163試合目を行う。この試合は、レギュラーシーズンにカウントされる。一方、これまでの例からすると、ポストシーズンに無関係な試合は、行われないこともある。例えば、162試合目が雨で流れ、そこで対戦する予定だった両チームともポストシーズンに進めないこと、あるいはポストシーズン進出とそのシード順が決まっていれば、161試合でレギュラーシーズン終了といった具合だ。それにより、個人タイトルの行方が変わってくる可能性も、皆無ではない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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