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各球団の生え抜き2000安打。埼玉西武は栗山巧がその1人目に

宇根夏樹ベースボール・ライター
栗山巧 MARCH 16, 2008(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 栗山巧(埼玉西武ライオンズ)は、2000安打を目前としている。あと2本のヒットを打つと、昨年11月8日の坂本勇人(読売ジャイアンツ)に続き、54人目の達成者となる。

 これまでの53人中、1975年9月6日の江藤慎一、1977年7月5日の土井正博、1983年9月18日の山崎裕之は、それぞれ、太平洋クラブ・ライオンズ、クラウンライター・ライオンズ、西武ライオンズの選手として、2000安打を達成した。ただ、彼らはいずれも、埼玉西武あるいはその前身の球団の生え抜きではない。それに対し、栗山はずっと西武/埼玉西武でプレーしてきた。

 1本目から2000本目までのヒットを、すべて1球団で記録した選手は、以下の30人だ。球団は読売の6人が最も多く、広島東洋カープと中日ドラゴンズの4人がそれに次ぐ。埼玉西武と東北楽天ゴールデンイーグルスは皆無。埼玉西武は、栗山が1人目となる。

筆者作成
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 このなかには、生え抜きとして2000安打を達成後、他の球団でプレーした選手もいる。横浜DeNAベイスターズは、2人ともそうだ。松原誠は、1962~80年に大洋ホエールズ/横浜大洋ホエールズで2081本のヒットを打ち、1981年に読売で14安打を記録した。石井琢朗は、1989~2008年に横浜大洋ホエールズ/横浜ベイスターズで2307安打、2009~12年に広島東洋で125安打だ。

 また、門田博光のような例もある。門田は、1970~88年に南海ホークスで2180安打、1989~90年にオリックス・ブレーブスで249安打、1991~92年に福岡ダイエー・ホークスで137安打を記録した。球団(現・福岡ソフトバンク・ホークス)が大阪から福岡へ移転した当初、門田は大阪に残った。

 一方、小久保裕紀新井貴浩は、プロ入りした球団の選手として2000安打を達成したが、その間に他球団を挟んでいる。小久保は、1994~2002年に福岡ダイエーで1012安打を記録し、全休の2003年を経て、2004~06年に読売で371安打、2007~12年に福岡ソフトバンクで658安打を記録した。通算2041安打の2000本目は、2012年6月24日に打った。新井は、1999~2007年に広島東洋で987安打、2008~14年に阪神タイガースで867安打、2015~18年に広島東洋で349安打。2016年4月26日に2000安打を達成し、そこから203安打を積み上げた。

 なお、各球団の通算安打とシーズン安打の記録保持者については、昨シーズンの開幕前にこちらで書いた。現役選手の本数は動いているが、顔ぶれは変わっていない。

「ヒットの球団記録。昨年、埼玉西武の通算記録を塗り替えた、栗山巧に続く選手は現れるのか」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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