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「全員25本塁打以上の内野カルテット」は過去1組だけ。ブレーブスの4人はすでに全員22本以上

宇根夏樹ベースボール・ライター
ダンズビー・スワンソン(アトランタ・ブレーブス)Jul 7, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 同じシーズンに、それぞれ30本以上のホームランを打ったチームメイトは少なくない。2人あるいは3人にとどまらず、30本塁打カルテットも、ナ・リーグとア・リーグの球史において、12組を数える。さらに、2019年のミネソタ・ツインズでは、それよりも1人多い30本塁打クインテットが結成された。41本のネルソン・クルーズ(現タンパベイ・レイズ)、36本のマックス・ケプラー、34本のミゲル・サノー、32本のエディ・ロザリオ(現アトランタ・ブレーブス)に、31本のミッチ・ガーバーだ。

 だが、内野手4人がいずれも30本塁打以上は、まだ誕生していない。ツインズの5人のポジションも、ホームランの多い順に、DH、ライト/センター、三塁、レフト、捕手だった。内野手の全員が25本塁打以上も、これまでに1組だけ。2008年にフロリダ・マーリンズでプレーした4人しかいない。遊撃手のハンリー・ラミレスが33本、一塁手のマイク・ジェイコブスと二塁手のダン・アグラが32本ずつ、三塁手のホルヘ・カントゥが29本を記録した。カントゥがあと1本打てば30本塁打カルテットとなっていたが、前後のどのシーズンも、カントゥのホームランは30本に届いていない。

 今シーズン、ブレーブスで内野を守っている4人も、30本塁打カルテットは少し難しそうだ。もっとも、彼らは、2008年のマーリンズに続く、いずれも25本塁打以上の内野カルテットを目前としている。一塁手のフレディ・フリーマンと三塁手のオースティン・ライリーは、すでに27本と26本。遊撃手のダンズビー・スワンドンスワンソンは25本塁打まであと1本、二塁手のオジー・オールビースはあと3本だ。この4人は、ここまでの121試合中112試合(92.6%)で内野に揃い踏みしている。

左から、A.ライリー、O.オールビース、F.フリーマン、D.スワンソン Jul 22, 2021
左から、A.ライリー、O.オールビース、F.フリーマン、D.スワンソン Jul 22, 2021写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 来月に32歳となるフリーマンは、2016年の34本と2017年の28本に加え、2019年は38本のホームランを打っている。20代の3人は、前年までシーズン25本塁打に達したことがないが、24歳のオールビースは、2018~19年に2シーズン続けて24本。オールビースと同じ歳のライリーも、メジャーリーグ1年目の2019年に80試合で18本を記録した。メジャーリーグとAAAを合計すると、この年のライリーのホームランは、33本となる。

 その一方で、27歳のスワンソンは、メジャーリーグ2年目の2017年から遊撃のレギュラーとしてプレーしながら、前年までは、シーズン25本塁打どころか20本以上も皆無だった。各シーズンのホームランは、2017年が6本、2018年が14本、2019年が17本、2020年が10本、そして、今シーズンはここまで24本だ。短縮シーズンの2020年を挟んでいるので、本数だとわかりにくいが、各シーズンにおける、ホームラン1本当たりの打数は81.3→34.1→28.4→23.7→19.2、パワーを示すISO(長打率-打率)は.092→.157→.171→.190→.226と変遷している。緩やかではあるものの、徐々にパワーを増してきたことが窺える。

 なお、30本塁打カルテットの12組については、こちらにリストを掲載した。

「「30本塁打カルテット」を超え、史上初の「30本塁打クインテット」誕生」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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