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カブレラが「500本塁打」にリーチ。過去の達成者は、499本から500本までにどれくらいかかったのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
ミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)Aug 11, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月11日、ミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)は、通算499本目のホームランを打った。0対0の5回表に、マット・ハービー(ボルティモア・オリオールズ)のカーブを左中間のスタンドまで弾き返した。

 ナ・リーグとア・リーグの球史において、500本塁打に到達した選手は、27人を数える。そのリストの最後にデビッド・オティーズが加わったのは、今から6年前の2015年9月12日だ。現時点では唯一人の現役選手であるアルバート・プーホルス(現ロサンゼルス・ドジャース)は、オティーズの前年、2014年4月22日に到達した。

筆者作成
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 プーホルスとオティーズは、2人とも、499本目と500本目を同じ試合で記録した。いずれも、その試合の1打席目と3打席目。この2本のホームランを同じ投手から打ったことも共通する。相手の投手は、プーホルスがテイラー・ジョーダン、オティーズはマット・ムーア(現フィラデルフィア・フィリーズ)だった。

 リーチと到達が同じ試合の選手は、他にいない。この2本塁打を同じ投手から記録したのも、彼らだけだ。ただ、11人目のフランク・ロビンソンは、リーチと到達が同じ日。1971年9月13日のダブルヘッダー1試合目と2試合目に、それぞれ、499本目と500本目のホームランを打った。また、1人目のベーブ・ルースは、2打席連続だ。1929年8月10日の最後の打席に499本目、翌日の最初の打席に500本目を記録した。

 一方、2人目のジミー・フォックスと10人目のハーモン・キルブルーは、リーチをかけた後、足踏みが10試合以上続いた。リーチから到達までの試合(と打席と打数)はそこまで多くないものの、日数からすると、さらに長くかかった選手もいる。18人目のサミー・ソーサと25人目のゲリー・シェフィールドは、499本塁打でシーズンを終えた。

 リーチをかけてから到達までの平均は、4試合目、16打席目、13打席目となる。もっとも、これはあくまでも平均に過ぎず、カブレラが当てはまるかどうかはわからない。

 なお、現役選手のなかで、プーホルスとカブレラに次いで通算本塁打が多いのは、440本のネルソン・クルーズ(タンパベイ・レイズ)だ。プーホルスとクルーズは41歳、カブレラは38歳。現時点の本数と年齢からすると、クルーズが500本塁打に到達するのは少し難しそうだが、今シーズン、プーホルスとカブレラのホームランが2人合わせて26本であるのに対し、クルーズは23本を記録している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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