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初速120マイル以上の打球は、ホームランとアウトが同じ本数

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャンカルロ・スタントン(ニューヨーク・ヤンキース)Jul 28, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月9日の1回表、ジャンカルロ・スタントン(ニューヨーク・ヤンキース)の打球は、スタットキャストによると、初速122.2マイル(約196.7km)を記録した。これは、2015年以降の「スタットキャスト・エラ」における最速タイだ。けれども、打球は上がらず、二塁手の正面へ。4ー6-3と転送され、一塁走者もスタントンもアウトになった。

 今シーズンのメジャーリーグで、120.0マイル(約193.1km)以上の打球は、これが4本目。いずれも、スタントンが打った。2015年以降の14本も、アーロン・ジャッジ(2017年6月10日)とゲリー・サンチェス(2018年6月19日)の打球、どちらも121.1マイル(約194.9km)の2本を除くと、あとはすべてスタントンだ。現在、この3人はヤンキースでプレーしている。119.1マイル(約191.7km)以上の29本も、記録したのは彼らしかいない。

 120.0マイル以上の14本中、ジャッジの一打を含む3本は、ホームランになった。一方、アウトも同じく3本を数える。1本目はサンチェスのレフト・ライナー、2本目はスタントン(2021年6月17日)の遊撃ゴロだ。ボー・ビシェット(トロント・ブルージェイズ)が捕り損なって手前に落としたものの、打球が速かっただけでなく、スタントンも全力疾走はしていなかった。ホームランとアウト以外の8本は、すべてシングル・ヒットだ。119.1マイル以上の29本は、ホームランとアウトが各6本、シングル・ヒットが16本、二塁打が1本。3人という少ない人数による結果であるのに加え、その結果自体も多くはないが、比率は120.0マイル以上とほとんど変わらない。

 なお、この3人以外が記録した、最も速い打球は119.0マイル(約191.5km)だ。現在はタンパベイ・レイズにいるネルソン・クルーズが、シアトル・マリナーズ時代の2015年4月19日に記録し、今年4月12日に大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が並んだ。それぞれの結果は、シングル・ヒットと二塁打。ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)は、2019年5月11日に、118.9マイル(約191.4km)のシングル・ヒットを打っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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